3.京都旅行----5月5日
京都旅行、最終日について写真を中心に簡単に書き記しておきます。
この日のメインは、源光庵。
地下鉄烏丸線北大路駅からタクシーで向かった。曹洞宗の高僧の隠居所が始まりだったとか。
昔の人はなんと優雅な隠居場所をつくっていたことか。
まあ、長生きして隠居できる人の数も限られていたのだろうが。
広間から見渡せる庭が素晴らしい。お天気もよくて、鶯なんぞが鳴いており、別世界へ誘われるかのような空間。
迷いの窓(角窓)と悟りの窓(丸窓)とが並んでいる。なんと哲学的な……。
そのふたつの窓からそれぞれ庭の緑が見える。
こういう日本人の美意識、最近特にしみじみといいなあと思う。
近くに光悦寺という寺もあって見学したかったのだが、時間切れで果たせず、残念だった。
帰りがけに、偶然見つけたKloreというパン屋さん。
店の佇まいから何となく私の嗅覚が働き、美味しいに違いないと思い、いくつか購入。
私の好きなハード系のパンが充実していて、フルーツ入りのライブレッド(うろ覚えだが、たぶんそんなパン)や葱入りの調理パン、柚子をアレンジしたパンなど、京都らしいパンがいっぱい。
これは大事に東京まで持って帰ってから食べたけれど、とても美味で大当たり!
この辺りはそれほど賑わっている観光街でもなく、どちらかというと静かなこじんまりとした街だったけれど、本当に食のレベルが高いなあと感じた。
この街のこじんまり感は、個人的に非常に気に入って、住んでみたいような気にもさせられた。
その後、有名な今宮神社を参拝、神社を出たすぐ側にある、これまた有名なあぶり餅の一文字屋へ。
ちぎった小さな餅が串にささっているだけで、さほど期待していなかったのだけれど、これがまた予想に反して旨いっ。程よい甘さと醤油の味で、ひとり15本分はあっという間に食べてしまう(1本はほんと小さいのです)。
それから、京都市中心部に戻り、お昼は念願のイノダコーヒで。
昔、ここのコーヒーが好きでよく通販で購入していたのだけれど、お店に行くのは初めて。京都旅行を計画した時から、絶対に行きたいと思っていた。
幸運なことに気持ちのよいテラス席に案内される。
伊藤まさこさんがガイドブックの中でおすすめしていたナポリタンを頼んでみる。連れ合いも同じナポリタン。
これがまた格別の味わい。本格派イタリアンとは別の独特な美味しさ。かといって昔の喫茶店とは比較にならない。これ一皿で、十分満足なランチだった。
食後はもちろんコーヒー。オリジナルブレンドのアラビアの真珠。
お店の従業員の方も、白い上着をぱりっと着こなして、プロっぽい感じで、さすが老舗の貫禄。気持ちのよい時間が過ごせた。
そこからまたまた老舗のタワシ屋、内藤商店にて、かねてから思案中のほうきをさんざん迷いつつ、思い切って購入。
ある意味、この内藤商店のあり方にいちばん京都らしさを感じた。
小商いの仕方とか職人さんのあり方とか、実に実にいろんなことを考えさせられたので、そのことに関しては、別枠で書いてみたいと思っている。
さて、いよいよ京都旅行も終わりに近づいてきた。
長い柄のほうきを握りしめたまま、錦市場へ向かい、あまりの活気に圧倒されながら、迷路のような市場を見て歩く。
住んでいたらあれこれ試してみたいお惣菜がたくさん並んでいた。
お惣菜はさすがに新幹線で持ち帰れないなあとあきらめ、パックのしば漬けだけ購入。
連れ合いおすすめの蕎麦屋でところてんの黒蜜がけをおやつに食べ、そして、ついに京都旅行は終わり。
京都駅で連れ合いと別れ、連れ合いは三重へ、私はうっすらと被爆した東京へ戻りましたとさ。
どこも美味しかったなあ。美しい!とか、美味しい!ばかり、書き連ねてしまったけれど、本当なのだから仕方ない。
今回は、『京都てくてくはんなり散歩』(伊藤まさこ著/文藝春秋)という本を参考にしたけれど、伊藤まさこさんのおすすめスポットは確かになかなかよかった。センスよいです。
ただし、この本の地図はちょっとわかりにくいので、地図に関してはもうちょっと実用的なガイドブックを参考にした方がよいかも。
京都は味わい深い。
すっかり虜にされた感あり、また行きたいです。
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