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2009年7月に作成された記事

2009年7月20日 (月)

Pinaからの贈り物――ふたつの虹

 今日(日曜)の夕方、部屋が不思議な光に満ちていたので、美しい夕焼けだろうか?と窓の外を見ると……大きな虹がかかっていた。

 見事な半円形を描き、そしてさらに驚いたのは、虹が二重にかかっていたこと!
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 見えるでしょうか。上にもうひとつ、うっすらと虹がかかっているのが!

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 小型のカメラだが、レンズをズームアップして撮ってみると、なかなかきれいに色が出た。

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 三鷹の空、7月19日(日)、日が暮れる少し前、確か午後6時過ぎくらいだったのか……興奮して、何時頃だったかよく覚えていない。

 団地のベランダからは空が広く見えるので、越してきてよかったなあと思った。
 昨夜は、遠くの方で打ち上げられた花火がちょっと見られたし。
 虹や花火は、夏が美しいと思える瞬間。
 特に虹は、その瞬間に巡り合えるのは奇跡にも近い。

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 虹が薄くなってくると、代わりに雲が金色に輝き始め、どんどんと美しくなっていった。
 まるで、雲の神様が口から虹を吹いているように見えた。

 こんな空を見ると、生きていてよかったなと素直に思う。
 そして、Pinaからのメッセージ、Pinaからの贈り物かも知れないと“勝手に”思う。
 この虹をきっかけに、そろそろPinaの喪を明けるべきかも。
 
  もうピナの新作を見られないというのは、耐え難いことに違いない。
 だが、性急な落胆ほどピナにふさわしくない姿勢はないだろう。


  と、浅田彰氏も書いているし(「時が作った舞台と人生-ピナ・バウシュ追悼」朝日新聞7月7日朝刊掲載)。

 生きていれば虹も見られる。
 ブッパダール舞踊団も解散したわけではない。
 私は性急に落胆し過ぎていたかも知れない(それにはいろいろと理由があるのだが、また後日書くことにする)。
 
 私の旅はまだまだ続く。これからも決して平坦ではなさそうな旅。
 いつまで続くかわからないが、終わるまでは続くのだ……と、とりとめもないことを思う。

 ふと、「そして船は行く」……というフェリーニの映画のタイトルを思い出した。

 

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2009年7月 7日 (火)

フルムーンの夜に

 今日は七夕、そして満月。
 明るい星もひとつ、ふたつ見える。
 七夕といっても、毎年、曇り空や雨が多いのに珍しいこと。
 夜の雲が月の光に照らされて虹色に輝き、梅雨時の空とは思えないほど幻想的。
 こんな美しい夜に思い出すのは、やはりPinaのこと……。
 
 ドイツの高名な振付家が亡くなった、という単なるデータ的なニュースしか流れなかった日本――評論家の文章なども出てくると思うのだけれど、しばらく時間がかかりそうだ。
 Pinaの名前で検索をして個人のブログに辿り着いても、ニュースにリンクが貼ってあるだけで、2、3行の文章がちょろっと、というのがほとんど。
  どうやら、喪の仕事を共有できる人は限られているらしい。

 マイケルの追悼式が、もうじき大々的に行われるそうだ……。
 今、この世界では偉大な芸術家をもうひとり失っているのだけれど、それは同じこの地上ではなく、まるで遠い月の世界の出来事のよう。
 彼女を愛していた人は、月の上に立ってひっそりと嘆くばかり。

 フランスでは、ル・モンド紙で号外が出たらしい。
 フランス語かドイツ語ができたら、よかったのにな……。
 そんな中、イギリスのガーディアン紙の記事がちょっとよい感じだった。
 guardian.co.uk      Pina Bausch1940-2009
 英語もそんなに得意ではないので、きちんと読解できたわけではないけれど、単なるお知らせではない、このテキストを書いた人の思いが込められた、ちゃんとした追悼の記事になっている印象を受けた(たぶん)。

 重力から解き放たれたPina、今夜はフルムーンの輝きのなかで自由に飛翔していてほしい。

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2009年7月 5日 (日)

カフェ・ミュラー、生の舞台を観ることは叶わなかったけれど

 下記は、2006年の8月の日記より。
 この年の春、来日していて、その時の「カフェ・ミュラー」をNHKで放映したものを観た感想。
 余分な雑記なども入った日の記事だったので、その部分だけ抜き出しました。
 ピナがこんなに早く逝ってしまうとは夢にも思っていなかったので、文章もちょっと軽いし短いし、ただ、今後の期待でいっぱいという感じ……。
 しかし、この時点で、いかに私がピナを愛していたか、わかっていただけると思います。
 出遅れたファン(後悔……)ではありますが。

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 NHKの芸術劇場という番組で、ピナ・バウシュの来日公演を観た。
 「カフェ・ミュラー」――素晴らしい!
 興味はあるのだが、生の舞台はまだ一度も観ていないので、次回、来日する時は、何が何でも観に行かねば!と決意する。

 60代の半ばを過ぎて、今もなお踊り続けているピナの美しさは奇跡的。
 そして、美しさだけでなく、人間の痛みや孤独もダンスであそこまで表現できるとは……もう鳥肌が立ちまくり。
 内面から滲み出る美しさ、という言葉は、まるで彼女のためにあるようだ。 
 彼女を見ていると、年を取ることが怖くなくなる。そんな気持ちにすらなった。
 やはり、真実を追い求めている人間は美しいのだ!と、大真面目に考える。 
 自分も、もっと真剣にいろいろなことに取り組まねば……と。
 しかし、録画したものの、なぜか番組が15分ずれ込んでいて、最後の貴重なインタビューが途中でぷっつり……がっくり。
 ちなみに、映画「トーク・トゥ・ハー」にも、実名のままピナ・バウシュとして登場。
 映画の中で、ピナ・バウシュの舞台を観ながら、あまりの美しさに涙を流す男性が出てくるが、あんなふうに泣ける男性が、私は好きだ。
 また、「トーク・トゥ・ハー」を観たくなった。

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Pina Bausch:A Coffee with Pina

 7月は、ピナの死を悼んで、ピナのことだけを書くことに決めました。
 東京の片隅で生きる一ファンなりの哀悼の意です。喪に服します。
 いろいろなニュースや情報が日々めまぐるしく飛び交い、消費され、忘れられていくなか、せめて個人発信のブログくらい、自分の大切なものに対してこだわりたいと思うのです。

 と言っても、舞台もそれほど観ておらず、あまり偉そうなことも言えず、ついついYouTubeの画像をリンクしてしまうばかりなのですが。
(だって、やはりダンサーは動いていないとね……)

 と、思わずリンクしてしまったのも、ヴェンダースがピナの映画制作に入っていたというのを知って。
ビム・ベンダース×ピナ・バウシュ。夢のコラボで世界初3Dダンス映画製作!
 この記事は5月、つい最近ではありませんか。
 本当に、体調不良を訴えてから、あっという間に風のように去っていってしまったという印象です。
 上記の映像はその関連のものらしいですが、カフェに座っているピナの存在感が素晴らしく、手をちょっと動かしただけで、周りの空気が変わるようです。
 でも制作に時間がかかりすぎ、未完になってしまったそうで、ヴェンダースは自分のサイトのトップページでピナへの追悼文を寄せています。
 そこに掲載されている、煙草を手にしているピナがあまりにも素敵。
 嫌煙が世界的に広がるなかでも、きっとピナは煙草を吸い続けていたんだろうな。
 ピナは途中で逝ってしまったけれど、これはぜひ完成させてほしい。

ヴェンダースのサイト

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2009年7月 1日 (水)

Pina Bausch追悼──フルムーンいっぱいの悲しみ

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Foto: Atsushi Iijima

 
 
 
 なぜか相次ぐ著名人の訃報のなか、私にとって最も悲しいニュースが。

 公式HPのニュース
 asahi.comのニュース
 Pina Bausch(ピナ・バウシュ)が6月30日に亡くなりました(写真はブッパダール舞踊団公式HPよりお借りしました)。
 信じられません。呆然としています。
 昨年の春の公演が、私にとっての、ピナ体験の最初で最後になってしまいました。
 次の公演にも絶対行こうと心に誓ったのに。 
 
 ここ数年来、あらゆる表現形態のなかで、最も心揺さぶられたのが、ピナ・バウシュとそのブッパタール舞踊団のダンスでした。
 おこがましくも自分の表現……というものを今一度、根源からの見直しを迫られるくらい、衝撃を受けました。
 何をしていくべきか、それを探っていくためにも、もっともっと見たかったのに、それはもう叶わない夢になってしまいました。

 でも、2008年の春にかけがえのない体験ができて、幸運だったと思います。
 たまたま公演を知って、チケットが取れ、大切な人と見られたことは、何かの「啓示」だったのでは……とすら思えます。

 ピナの冥福をお祈りします。
(でもまだ信じられない……というより、信じたくない)

 先週、フルムーンのサントラ盤が発売されているというので、ふと思い立ってタワーレコードへ探しに行ったのですが、あれは何か虫の知らせだったのでしょうか(あいにく、CDはなかったのですが)。

 7月の初めての日記が、ピナの訃報で始まるなんて、悲しすぎる。
 そう言えば、私が観た「フルムーン」は、舞台中、美しい雨が降り続いていたっけ。
 そして、7月1日深夜の今も、ピナの死を悼むかのように、雨が降りしきっています。
 雨の季節、満月いっぱいの悲しみ。今夜は眠れない……。

「フルムーン」を観た時の感想 です。

フルムーン

カフェ・ミュラー

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