« さよなら、西荻窪 | トップページ | 今年一番好きだった絵 »

2008年12月28日 (日)

美しい悪夢のような一角を見ながら

 引っ越しの荷造りが全然終わらない。
 本とCDはようやく詰め終わったのだが……CDのプラスチックケースを捨てて、ビニールの袋に入れ替えるというのをやっていたら、結構な時間がかかった。
 もっと早くやっておくべきだった。
 さっき、ケースをごっそり捨てに行って、すっきり。
 初めはためらいがあったが、一度始めてしまうと、あら、こんなに薄く!!と、嬉しくなり、もう止まらない。
 流通には必要なのかも知れないけれど、石油も使うことだし、プラケースはいらないなあと思う。

 そして、棚にある食器や調理器具をどかして解体、食器を梱包という、大仕事がまだ手つかずだ。
 おまかせパック代まで捻出できなかったから、ひたすら自分で労働するしかない……。
 腰痛が心配だ。

 

Img_1715

 話は変わって、今、新宿伊勢丹のショーウィンドウは、Undercoverの白い洋服。
 意外と可愛い……と思ったのも束の間、マネキンの横に変な生き物が(いや、実際に生きてはいないのだが)。















 Img_1712

 ETのぬいぐるみ版?みたいな奇妙なこの「生き物」。一つ目で、夜になると、こんなふうに光る。
 手の感じがちょっと怖い。
 というか、全体的に不気味だ。
 そして、何をまとっているかというと、それはUndercoverの洋服ではなく、アンティークの白いレースの子どものドレス。
 どう見ても、ヨーロッパの18~19世紀くらいの本物のアンティークドレスで、このドレスがどれも素晴らしい。
 上流階級の赤ちゃんや女の子が着ていたようなドレスだ。
 アクセサリーもアンティーク。
 
 一見可愛いらしいと思わせ、よく見ると禍々しいという、なんとなく今日的な、21世紀的(?)な雰囲気。

  こんな奇妙なものが堂々とウィンドウを飾っているのに、足を止めて見る人はあまりいない。
 若い女の子が、「何これ~ぇ?」と連れの男の子に言って変な顔をしていたのを一度見たくらいだ。

 美しい悪夢のような一角。

 きれいなようで怖い、輝いているようで疲れている……。

 というと、こじつけっぽいかもしれないが、元タレントの飯島愛さんが、ひとりマンションで亡くなっていてクリスマスイブに発見された……ということに、そんな印象を受けた。
 特にファンだったというわけではないが、今時の若い女の子たちのことを本気で考えて心配している、姉御肌のたのもしい人、というイメージだったので、ショックだった(引退の際、あまり元気ではなく、理由も歯切れの悪い感じなのが気になってはいたが)。
 人の心配ばかりして、本人自身は頼れる人がいなかったに違いない。
 1週間も気づかれないということは、周りに親密な関係の人がいなかった、ということなのだろうか。

 香山リカの著書に『老後がこわい』という本があって、まあ、いわゆるこのままシングルで年老いていくのが怖い、あれこれ心配(もちろん、ひとりで孤独死する不安も)という本なのだけれど、読みながら、香山さんのように精神科医という立派なキャリアもあって収入もある人が怖かったら、何もない私はどれほど怖がればいいんだろう?と思った。
 そうしたら、むしろバカバカしくなってきて、今の仕事をコツコツ続けて、とにかく心身の健康が一番で、それしかないと、自分で考え直した。
 不安を煽るようなことをあまりいってほしくないなあとも思った。
  と同時に、80年代や90年代くらいまでは、香山リカさんはあんなに華やかに活躍していたのに……。
 香山さんの不安は、同世代の女性たちの急死も関係しているそうだが(漫画家だとかライターだとか、確かにここに来て、いろいろな人が40代前半くらいで亡くなっている)。
 で、上野千鶴子の著書『おひとりさまの老後』は、香山リカのその本がきっかけで、「では老後をこわくなくするには?」ということで、生まれたという。
 やはり、一回り上の世代の筋金入りのフェミニストはタフだなあ。

 『おひとりさまの老後』とは、家族の絆も薄れてきているし、シングルも増えているし、シングルじゃなくたって、女性の方が長生きするんだから、どうせ最後はひとり、せめて、横のつながり、絆をつくっておきましょうよ、と、一言ではいえないが、まあ、そういうようなことが、実際的なことも含め、いっぱい書いてある本だ。

 都会にいると、友人同士でもほどよい距離感がよかったりして、私もしょっちゅう電話をしたりするほうではない。だから、誰かに、あるいは自分に、「もしも」のことがあっても、わからないよなあと、しみじみ思う。
 幸い、今の私は会社勤めなので、1日でも無断欠勤したら、おや?と思ってくれる場所がある(勤めていると厄介なことも多いけれど、今はそれが救いなような気も……)。

 遠距離にいる連れ合いとも、毎日毎日連絡するわけではないから、連絡の間隔が空いたら、「生きてるよ!」と、電話でもメールでもした方がいいのかも、なーんて、今はそれほど深刻でもないけど……。

 飯島愛さんは有名になって、タレントだけじゃなくて、本も書いて、お金もたくさん稼いで――相当頑張ってきた方だと思う。
 それにしても、どこまで頑張れば幸せになれるのか。そもそも幸せとは何なのか?
 いろいろ考えてしまった。

  内田樹先生がよく言うように、「小さな共同体に戻ってほっこり生きる」のが、いいのかも知れない。それができない人もいるだろうけれど。
 私自身は、「共同体」というのはなかなか難しいのだけれど、「ほっこり」は実践している。 とにかく、身体が大事、身体は心とつながっている、と思っているので、あちこち不具合のある私は、漢方薬代だけはなんとか捻出しているし、あまり無理はしない。
 飯島愛さんは腎臓がよくなかったそうだから、身体が相当冷えていてはず。
  「腎」は、身体全体の気を司る大事な期間で、特に女性は冷えによって影響を受けやすい。ここが弱ると、身体の「気」も弱るし、身体が弱ると、心も弱る(私も漢方の診断では、腎臓が弱い)。
 逆に、温めて治していけば、気持ちも元気になっていくはずだから、彼女はとっても残念だ。

Img_1717  師走の新宿の風景。
 今年最後の出勤日の帰り、セガフレード・ザネッテイにて、大好きなカプチーノを飲みながら。

 現代に、女性として生きるのは大変だなあと思う 。昔だって大変だったし、今の男性だって大変だけれど、大変さのニュアンスが違うのよね(今は簡単に説明できないが)。

 ともあれ彼女のご冥福をお祈りします。

 

 
 無理しないと言っても、引っ越しは無理をいっーぱいしないとな。
 つい、ブログ書きに逃げてしまったが、戻ります。
 (って、もう夜ぢゃないか……あぁ)


 
 

 

|
|

« さよなら、西荻窪 | トップページ | 今年一番好きだった絵 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/84419/26584720

この記事へのトラックバック一覧です: 美しい悪夢のような一角を見ながら:

« さよなら、西荻窪 | トップページ | 今年一番好きだった絵 »