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2008年9月に作成された記事

2008年9月27日 (土)

Notting Hill Cakes―お茶の時間のためのお菓子

Img_1563_2  先週はオレンジ・サウトウボ――さあこれから少し体もお財布も締めなくちゃねと決意したのも束の間、伊勢丹のマ・パテスリーでは今度は、ロンドンのNotting Hill Cakes(ノッテイングヒルケイクス)がやって来るという。
 正直、このお店の名前は知らなかった。
 ただ、イギリスへ行った時、ノッテイングヒルという街がとても思い出深かったので、あの街ゆかりのケーキ屋さんなら、それだけで食べてみたいなと思ったのだ。
 ノッテイングヒルは、ポートベロー・ロードのアンティークマーケットがある。近くに美味しいティールームもあって、ロンドンの中では一番好きな街だったかも(10数年前行った時の感想)。
 映画の舞台にもなり、随分と有名になってしまい、今はかなりトレンディなスポットになっているそうだ。
 その後、イギリスなんて、もうぜーんぜん行っていないので、よくわからないが。

 というわけで、マフィンや焼き菓子が主らしいので、軽い気持ちで金曜日の仕事帰り、伊勢丹に寄ったところ……最近むしょうに食べたかったトライフルがあった(!)ので、喜んでひとつ選んだ。
 トライフルというのは、スポンジ生地にお酒を染み込ませ、ベリー類などのフルーツをあしらい、その上にカスタードや生クリームを重ねていくもの。
 つくり方は簡単なようだけれど、新鮮でいい材料を揃えるのが大変なので(日本はフレッシュなべリーというものが手に入りにくい)、意外と自分ではつくれないし、お店でもあまりお目にかかれない。

 それから、ベリーのマフィンとカップケーキのアップルパイ風味(写真)をひとつずつ買う。
 この手のお菓子は、ぼそぼそしていてあまり好きじゃないのだけれど、今日食べてみたところ、本当に美味しかった! しっとりしていて、でも油っぼくはない。
 上のクリームは高級バタークリームという感じのものだった。クリームはシナモンと紅茶の香りで、その上にりんごを煮たのが乗っていて、全体を口に入れると、確かにアップルパイの風味。
 そういえば、NYやロンドンでカップケーキが流行っているのだとか、SATCにも出てくるのだとか(映画の方?)、見たり聞いたりしたことがあり、あんなクリームで飾ったりした「子どもだまし」みたいなカップケーキなどがなぜウケているのか?と不思議だったのだけれど、ノッテイングヒルケイクスを食べて納得(1個480円という、カップケーキにしては可愛くない値段も食べてみれば納得。そう頻繁には買えないけれど)。
 今回は買わなかったけれど、スコーンや焼き菓子も美味しそうだ。 「伝統的なレシピをモダンにアレンジ」したそう。
 麻布にもお店があるらしいので、そのうち行ってみたい。
 それにしても、東京には世界からいろんなお店が出店しているんだなあと、東京在住ながら改めてびっくり。
 でも、情報を追うことはしない。こんなふうに、通勤途中に寄れる伊勢丹にあるから買ってみる、偶然出会えて気に入ったらその後も食べてみる、というくらいで私は十分だ。

 今週末は涼しいし、アールグレイと一緒にノッテイングヒルケイクスで幸せなひと時。
 まさに午後のお茶の時間のためのお菓子!
 こういう素朴な焼き菓子もいいなあ。深まりゆく秋にはぴったり。スイーツというより、お菓子と呼びたくなる。

 ノッテイングヒルケイクスは、9月30日まで新宿伊勢丹のマ・パティスリーにて買えます。

(来週こそ締めるぞーと思うのだが、職場の皆で通販で頼んだ北海道のロイズチョコレートが届くのであった……というのを思い出すと、やっぱり楽しみ)

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2008年9月23日 (火)

モーテン・ヘイバーグのオレンジ・サウトウボ

Img_1556

 

calvinaさんのブログで紹介されていたので、新宿伊勢丹のマ・パティスリーを覗いてみました。このコーナーは、期間限定で、いろいろなスイーツが置かれます。
 今回は、デンマーク王室のシェフチームメンバー、モーテン・ヘイバーグ氏のスイーツ、「デザート・サーカス」。
 デンマークのスイーツは食べたことがないので、興味しんしん。
 あれこれ迷ったのですが、calvinaさんおすすめの「オレンジ・サウトウボ」を選びました。
 サウトウボってデンマーク語? どことなく日本語的な響きで、不思議です。
 どういう意味なのかな?

 実は、先週の金曜日、仕事帰りに寄ったら、オレンジ・サウトウボは完売。
 ないとますます食べてみたくなるもので、今日、雨の月曜日、仕事の合間をぬってなんとか入手!
 ボックスが素敵です。シンプルかつ、ピンクが可愛くて、小物入れにはなりそうにないけど、捨てるの惜しいなあ。

「ふんわりと柔らかく、ビターオレンジガナッシュのなめらかな食感がすばらしいチョコレートケーキ。発酵バターのコクが味わいを深めています」
 とのこと(伊勢丹のカタログより)。

 1個1,680円は高いなと思いつつ、自宅で切ってみると納得。Img_1561
 凄いコクです! ケーキというより、チョコレート?
 というわけで、今夜、デザートにいただきました。カロリーのことは、考えないことにします(笑)。
 真ん中に(色の濃い部分)、オレンジガナッシュが入っていて、これがよいアクセントに。
 私は、オレンジ+ビターチョコレートという組み合わせが好きなので、嬉しい感じ。
 薄めの紅茶とともにいただきましたが、リキュールとかウィスキーなんかと組み合わせてもいいかも(こういう場合も、カロリーのことは忘れたい)。その後は濃いコーヒーでシメる! と想像すると、やはりこれはお茶の時間のケーキというより、ディナーの後の、デザートとして食べるのが相応しいのかも。大人の味です。

 それから、バレンタインの時、プレゼントするのではなく、ふたりで一緒に食べるのにいいんじゃないかな。ボリュームがあるわりには、賞味期限が短いので、もらっても男の人は食べきれないと思うので(笑)。伊勢丹のお馴染みサロン・デュ・ショコラの時にも出したら、売れそうに思うのだけれど、どうでしょう?!

 ヘイバーグ氏のスイーツは、マ・パティスリーで明日23日まで買えます。他にもパンナコッタやムースなどのケーキも。

 明日は祝日なので、またゆっくり味わいます。
 それにしても、美味しいスイーツがあるのに、分かち合う人がいないのは実に残念。

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2008年9月21日 (日)

新宿で、少し早めの誕生日

 先週13日~15日の3連休は、東京に来た連れ合いにちょっと早めの誕生日(本当は30日)をお祝いしてもらう。
 土曜日は、大島弓子原作の「グーグーだって猫である」 を新宿武蔵野館で観た。
 小泉今日子はなかなかいい雰囲気、グーグー役の猫も可愛いし、細野晴臣の音楽もよい……けれど、ここにまで「佐藤のメンチカツ」を出すのかとか、焼き鳥の 「いせや」とか、吉祥寺のプロモーション映画のようだな、あっ楳図かずおだ!(私は赤白ボーダーTシャツの楳図氏を吉祥寺で何度も目撃している!)とか、 ちょっと吉祥寺のローカルネタが多すぎて、知っている人間にはウケるけど、行ったこともない人はどうなのかな、内輪ウケかもという気がしないでもなかっ た。井の頭公園の中にある気持ちのよさそうなカフェ、pepacafe FORESTには、今度行ってみたいと思ったけど(まだ入ったことないので)。
 それからアシスタントの女の子のドタバタ恋愛話とか、入れる必要あったのかどうか……これくらい思い切って脚色しないと、映画として成立しないのかな。

 でもまあ、ゆるーい感じで楽しむにはいい映画です。原作を忠実に描こうとして失敗しているより、これくらい「遊び」があった方がファンとしては、安心して観ていられるし。

 それにしても、10代の頃から大島弓子を読み始めて、今でも読んでいるから、なんと読者歴30年……という事実に改めて驚く。どんな年代の時も、自分の人生に寄り添ってくれていたと思う。

 映画のあとは、伊勢丹で私の大きなお尻も入る(!)ジーンズ(ではなく、最近はデニムというのですかね)を見つけ、思い切ってそれを誕生日プレゼントにしてもらう。この頃は、婦人科系の持病のせいもあり、生活、服装などなど多方面で自分を甘やかし気味で膨張気味だったので、たまには固い素材の衣類をビシッと 身に付けることも大切だなと実感。でも選んだのは、比較的柔らかい生地で、高知県の室戸岬の海洋深層水で「オーガニック ウォッシュ」したものなんだそうな。まるで食べものみたいだ。ブルーではなく、墨色に近い黒で、渋いです。

 夜は私がランチでよく利用するビストロ、クレッソニエールにて食事。

  Img_1532 オリーブと茄子の前菜。温かい前菜としてキッシュ。メインディッシュは、子羊のロースト、ソーセージとベシャメルソースのパイ包み焼きをシェアして。デザートに、桃のコンポートとそのゼリー&アイスクリーム添え。そしてコーヒー。

 重すぎず、軽すぎず、程よいお味のビストロ料理。グラスワインの赤を2杯いただいて、満足満足。サービスも程よい親しみやすさと距離感が絶妙。子羊のローストもメニューではパイ包みだったのだけれど、もう1品と重なってしまうから、外して作りましょうと言ってくれたのだ。こういう、マニュアル化されていないサービスが嬉しいこの頃。

 新宿伊勢丹前の夜景を。菊地成孔さんの真似っこをしてみました。クレッソニエールから出てくると、こんな風景が広がっている。確かに独特の風情がある。照明がきれいなんだな。

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 さて、その後の(日)(月)は部屋で静かにすごし、甘いもの好きの私たちは2日間ともまたアテスウェイに通い、ケーキが中心の2日間。今の季節、桃や栗を使ったものが絶品。Img_1546アテスウェイのケーキは見た目も美しい。










 食べる話ばかりだけれど、14日、ケーキを買った帰り、善福寺公園に寄ったら満月が見えた。忘れていたけれど、ちょうど仲秋の名月だったのだ。電線もビルもなく、周りは木の黒い影だけ。その上から昇ったばかりの金色のお月様は、とてもきれいだった。

 楽しくておいしい誕生日をプレゼントしてくれた連れ合いに感謝!

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2008年9月 7日 (日)

パリ、恋人たちの2日間

 

2days  「パリ、恋人たちの2日間」 は6月に観た映画で、もうとっくに終わってしまっているのだけれど、とても面白かったので、感想を。

 監督・脚本・制作・編集・音楽と、ほぼすべてを担当したのが、主演もしているジュリー・デルピー。
 ゴダールやレオス・カラックスの映画で注目されるようになったフランスの女優さん。
 たなびくような金髪に、ちょっとベビーフェイスで、まるで宗教画の天使のような美しさを漂わせる女性……と思っていたのだけれど、まさかこんな才媛だったとは!と、驚いた。
 アメリカで暮らすフランス人の写真家のマリオン(ジュリー・デルピー)と、アメリカ人のインテリアデザイナーのジャック(アダム・ゴールドバーグ)のカップル。ふたりがマリオンの故郷パリへ行き、そこでの2日間を描いたもの。
 とにかく、脚本がいい。なるほど、これは「パリのウッデイ・アレン」という感じ。機関銃のように発せられる言葉の洪水。でもそれがウィットとユーモアに富んでいて、小気味よいテンポで進んでいくので、うるさい感じはしなくて、むしろ気持ちがいい。
 字幕でこんなに笑えた映画は久しぶり。
 異文化、異なる言葉のぶつかりあいなどなど、ジャックのパリでの戸惑いの数々。
 アメリカ人というのも自国中心主義な感じがするけれど、それを上回るフランス人の自己中心的で排他的でどうしようもない頑固っぷり、一人ひとりの変人っぷりが、厭味を通り越して爽快ですらある。ほら、日本人って周りのことばかり気にするじゃない? これくらい勝手に生きられたら、ウツ病になんかならないんじゃないの?などと思ってしまった。
 アメリカ人とフランス人、どちらかを美化したりけなしたりするのではなく、ジュリー・デルピーが笑いと愛情を込めて描いているのがいい。どちらも笑ってしまうという感じ。
 とにかく、パリに来てからというもの、ジャックは、かつてパリでマリオンがどのような男性と関係を持っていたのか、気になって気になって仕方ない。たぶん、アメリカにいる間は気にならなかったのだろうけれど、パリに着いて、マリオンの「過去の男たち」を目の当たりにしてしまうと、あることないこと考えてしまい、頭を抱えてしまうのだ。
 マリオンの携帯に届いた、男性からのメールをこっそり盗み読むするジャック。
 でもフランス語ができないので、辞書片手に読もうとするのだけれど、どうも頓珍漢な意味になってしまうシーンには爆笑。
 そんなジャックにマリオンは、「あなたと出会ったとき、処女なわけない!」と叫ぶ(ジュリー・デルピーの実年齢も、この映画の設定でも、30代後半くらいなので)。
 ごもっとも。大人になればなるほど、さまざまな過去があるわけで、まっさらな人なんていないし、逆にそんな人は面白くないわけで、過去がある人ほど深みを増すものなのだけれど、こと恋愛になると、どうも冷静でいられない――。
 という、そんな甘いだけじゃない、ほろ苦さも含んだ味わいのある恋愛映画になっていた(だけど、コメディ、というのがポイント)。
 ある程度年齢を重ねると、恋愛というのは、相手の過去や背景にあるものをどれだけ受け入れることができるか、ということが大きく問われるのだと思う。
 それができる人を、大人、というのかも。
 パリでの2日間、互いに笑ったり怒ったり呆れたりしながら、ラスト、ふたりが出した答えは……これも何か決定的な答えを出すのではなく、観る側にゆだねられているのがとってもよかった。
 ラストシーンで「別れて孤独になって、またパーティーを渡り歩いて、他の誰かを探すの?」(よく覚えていないので、記憶の中で変容しているかも)と言うマリオンのセリフがあって、そう、それってほんと、年を取れば取るほど辛いよね、と共感した。

 それから、観た後に知ったのだが、マリオンの両親役というのが、実の両親だということ。
 俳優一家だということは聞いたことがあったのだけれど、まさかあの両親が本物だったとは! 凄くいい味を出していたので。
 特にお父さんは、知的なのだけれど、それほど裕福ではなく、頑固でウィットに富みすぎて(?)、ついでに下ネタも満載で、ジャックは付いていけない。
 昼食に出されたウサギの肉をめぐるやり取りは、ほんとに可笑しかった。

 いわゆるお洒落なパリという風景や店はあまり出て来なくて(もちろん、この映画の人たちはラデュレなんかには行きません:笑)、マリオンもパーティの時以外は、どちらかと言えば野暮ったいファッションだし、そういう親しみやすい感じもよかったかな。

 あと、ファストフードショップでジャックが出会う、静かで不思議なテロリスト男! こういうエピソードをつくれるところに、ジュリー・デルピーの冴えたセンスを感じる。テロリスト男は、「グッバイ・レーニン」のダニュエル・ブリュール、彼もいい味出してます。

 ところで、思い出すのは、数年前に公開されたジュリー・デルピーとイーサン・ホーク主演の「ビフォア・サンセット」とその前編にあたる「恋人までの距離」という映画。やはりフランス人とアメリカ人が出会って……というストーリーで、「パリ、恋人たちの2日間」はこの2本の映画の続編のようだと思った。
 と思ったら、ジュリー・デルピーは、主演だけでなく、すでにこの映画の頃から脚本も書いていたんですね。びっくり(全然気づかずに観ていた)。だから、ある意味、続編というのは間違っていないかも。
 私は、この2本も大好きで、強力におすすめ!
 フランス人とアメリカ人がウィーンで出会って、恋に落ちるまで――そう、「恋人までの距離」を描いている。互いにとっての異国の地で、会話しながら歩いていくだけで、これといって大きな事件も起きない。
 だけど、面白い。考えてみれば、異国の地で、異国人同士が出会う、というだけで、十分にドラマチック。別れは否応なしにやって来るし、果たして再会は……。難病になったり死んだりしなくても、人の気持ちを動かせるストーリーって、つくれるんだなとしみじみ思う。シナリオライターになりたい若い人がいたら、この2本をすすめたい、と思うくらいの映画だ。

Img_1522_2  左は、1995年の雑誌「SWITCH」。本棚の奥から出てきた。
 わー、私って昔からジュリー・デルピーが余程好きだったのねと、今さらながら気づいたりして。
 この頃、彼女は25、6歳。アメリカに移住して、ニューヨーク大学で映画を勉強していた頃のインタビューがたっぷり載っている。
 読み返してみると、すでにこの頃から、監督もやりたいと言っている。
 十数年をかけて夢を実現したのだ。凄いなと思う。

――映画の仕事もいろいろあるけれど、自分の人生を生きるってこともしなくちゃと私は思うのね。まずは生きることが大切だと――というのは、その「SWITCH」のインタビューから。
 自分の人生をきちんと生きてきた人なのは、映画を観ればよくわかる。
 そして、右は彼女のアルバム。映画公開前にJ‐WAVEの電話インタビューに出演、その時にアルバムを出しているのも知って、その場ですぐアマゾンで衝動買い。
 「ビフォア・サンセット」の中でも、「ニーナ・シモンのライヴへ行ったら、それはそれは素敵だった」というようなセリフがあったので、彼女の音楽センスは信用できるなと思って(ニーナ・シモンをもってくるところが渋い)。
 すごーく際立った曲があるわけではないけれど、ジュリーのちょっと低めの声も心地よく、落ち着いたいい感じのアルバムに仕上がっている。作詞/作曲も彼女自身とのこと。

 今後も、監督・女優としてのジュリー・デルピーがとても楽しみ。

(と終わってしまった映画をあれこれ語ってしまって恐縮です。DVDになったら、ぜひご覧ください。映画や美術展も、観た後にさっと、期間中に報告できればよいのですが、あれも書こう、これも書こうと思っていると、すべて終わってしまっています。終わってしまうと、いつでもいいやとなり……でもまあ、ブログを書くために生きているわけでもないので、いいかなと。ブログ書きくらい、フランス人のように自分勝手で:笑)

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