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2008年8月10日 (日)

夏休みの始まりは「ミス・ポター」と共に

 今週末から、来週いっぱいまで夏休み。
 ようやく一息、といったところ。
 今日は比較的穏やかな気候で、アパートの隣の部屋から鼾も聞こえず(いつもそれで眠りが浅い)、上階のどかどかと傍若無人な足音も聞こえず、聞こえてくるのは蝉の鳴く声ばかりで、静かな夏だなあと思いつつ、扇風機をつけたり消したりしながら、11時半まで爆睡。
 起きてからも、久々にクーラーなしで過ごしている。
 そういえば、蝉は暑すぎても鳴かないのだとか。
 今まで蝉の鳴き声をあまり聞かなかったので、どんだけ暑かったのかと思う。
(その証拠に、今日は本当に蝉たちがここぞとばかりに狂ったように鳴きまくっている)
 特に、この前の雷と豪雨の前の湿度の高さは異常だった。
 その後の、午後いっぱい鳴り響いていた雷の音は爽快だったが(意外と好きなのだ)、帰りは総武線がストップ、身の危険を感じるほど混んだ中央線に押し込まれて、死ぬかと思った。

 蝉すらも夏バテするような暑さなのに、長期のバカンスもなく、あくせく働く日本人のひとりではあるが、まあ、1週間でもありがたい。

 しかし今年は、連れ合いがこの猛暑のさなか、会社の転勤、自宅引っ越し、引き継ぎ等がちょうど私の夏休み中にあり、会えず……。
 というわけなので、今年は、行きそびれていた病院各種――眼科・婦人科の検診、原因不明の左腕の引き攣れ感を診てもらいに総合病院へ――そして、映画三昧にしようかと思っている。
 映画は、「赤い風船」と「ぐるりのこと」を観に行きたい。
 あとは、HDDにたまっているのと。
 お正月にうっかり消去して空になったのも束の間、瞬く間にパンパンにたまりつつある。

 オリンピックは、開会式がチャン・イーモウの演出だというので、一応見てみた。
 巨大な絵巻物が広がり、そこに映し出される立体的な映像が凄かった。
 人が筆となってダンスをしながら墨絵を描いたり、活版印刷がうねったり、オールを漕ぎながら大航海の様子を表現したり、太極拳風の踊りがあったり、天女が舞ったり、最後は花火で、夢のように美しかった(言葉ではあのスケール感は表せないが)。
 さすが、チャン・イーモウ。
 しかし、きっと競技はあんまり見ないんだろうなあ。
 どうもスポーツは、TVの時間に合わせるのが苦手。
 かと言って、映画のように録画して見ては臨場感ないし。

 Potter

 ところで、今日は「ミス・ポター」 を観た。
 ピーター・ラビットの作者、ビアトリクス・ポターの映画。
 湖水地方の映像がきれいで、これは映画館で観ておけばよかったなあと思う。
 女性が表に出られない時代、年齢を重ねてからピーターの絵本を出したり、あれこれ苦労していたのは知っていたが、契約したウォーン社の編集担当者と婚約していたことは知らなかった。
 母親が「そんな商売人との結婚は許しません!」と言うのが笑えた。
 商売人ってねえ(笑)……ポター家は貴族ではなかったけれど、上流階級だったんですよね。
 今の私たちの目で見れば、彼はポターの才能を開花させた有能な編集者で、そのうえ紳士で、実家も全然貧乏じゃないんだけど。
 格差社会もここまで極まっていると、わかりやすいというか(笑)。
 
 そして、その婚約者は病気で急死してしまうという悲劇が……。
 しかし、その苦難を乗り越えて、自立して家を出て(女が結婚もせず、ひとりで家を出て生きることは本当に大変な時代だったのだ)、ウィンダミアに移り住み、ピーター・ラビットの印税で農場を次々と買い取り、農業(豚を育てたりと、畜産も!)と創作に励み、後に地元の弁護士と結婚する。
 正に、労働と創造の豊かな一生。
 ポター役のレネエ・ゼルウィガーがよくて、ブリジット・ジョーンズより、こういう役の方が似合うんじゃないかな(ちなみに、その婚約者役はユアン・マクレガー)。  
 観ていたら、なんだかクリームティー(イギリス独特のお茶とスコーンのセット)が食べたくなりました。
 エルメのような高級スイーツではなく、素朴なスコーンにジャムとクロテッドクリーム!とそして熱い濃い紅茶。

 それにしても自由に生きるためには、お金=才能が必要なんだよなあ。
 こういう時代に表現することを目指した女性に、私は興味がある。
 ヴァージニア・ウルフとか、少し現代に近づくけれどアガサ・クリスティーとか。
 ビジネスの世界には入れてもらえなかったけれど、表現の世界で羽ばたいた女性は結構いて、皆、興味深い生き方をしている。

 その他、ポターの描くピーターや動物たちが動いて飛び出したりするシーンもよかった。
 アクション映画の過剰な演出は食傷気味だけれど、こんな可愛らしい感じのCGは好感がもてる。
 ピーター・ラビットとポターに敬意を払っているのがよく伝わってくるし、とにかく観た後は、ウィンダミアへ飛んで行きたくなります!

 

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