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2008年6月 1日 (日)

おふたりにお会いしました

Photo 5月30日(金)は、有休をとってこのおふたりに会いにゆきました。
 薬師寺からいらした日光菩薩と月光菩薩です。
 国宝薬師寺展
 calvinaさんのブログ に「祈りを誘うかたち」という表現があって、これは見なければ!と思ったのです。

 さて、当日は平日にも関わらず、長蛇の列……なんと70分待ち。
 並び始めて、ああこりゃあ平日の午後だからこそ混む客層だわい……と気づくが、意を決して忍耐強く並ぶことにした。
 70分というのはちょっと大げさなんでは?と思ったのだが、ちっとも大げさではなく、しっかり70分。
 もしかしたら……図っていなかったけれど、80分くらい並んだかも知れない。
 5月下旬とは思えないほどの寒さの中、雨が降らないだけまし、と思いながら。

 でも、それだけの甲斐はあった。
 薬師寺では、光背を背負っているから、後姿を見ることはできないのだけれど、今回の展示では、360度あらゆる角度から拝むことができるのだ。
 その後ろ姿のなんと優美なこと!
 背中のラインと腰のひねりには、なんというか、なまめかしさすら感じた。
 そして、静かな佇まいと穏やかな表情。
 つややかで、滑らかな肌。
 衣の襞に動きがあり、優雅。
 静かなのに、躍動感がある。
 魂が宿っている、というのはこういうことを言うのだろう。
 1300年前、1300年前……と心の中で何度となく呟く。
 いったいどんな人たちが創り上げたのだろう。
 私も本当に「祈りを誘うかたち」だと思った。

↑月光菩薩

 1300年前の日光菩薩と月光菩薩を見ながら、人類は進化しているどころか、退化しているのではあるまいか、など、そんなことを考えるともなく考える。
 現代の私たちがつくったものの中で、そのまま残り続け、1000年後の人々の心を打つような何かがひとつでもあるだろうか?

 NHKスペシャルでは、薬師寺のご住職が、今の不安・不信だらけの世を浄化するために多くの方にご覧になっていただくことにしました、というようなことを仰っていた。

 本当に、ちょっと浄化されたような気持ちになった。

Photo_2                     

                   

日光菩薩→  

*画像は、国立博物館の公式HPからお借りしました。

 

 他にも板に描かれた神像、出土された人形の欠片、吉祥天像などの展示もあり、なかなか見応えがあった。

 奈良にも一度ゆっくり行ってみたい。

 

 ところで、このおふたり以外にも、実は会場で凄いおふたりを目撃した私。 
 ひっそりとオーラを放つふたり連れがいて、あ、誰かなんだけれど、誰だっけ……と一瞬考えた後、すぐにわかった。
 なんと、漫画『陰陽師』の作者、岡野玲子さんと、夫の手塚眞さん(雑誌などで拝見したことがある)。
 上野に向かう電車の中で、薬師三尊は平安時代のもの……というと、安倍晴明と同時代か、などと、ぼんやりと岡野玲子さんの『陰陽師』のことを思い出していたのだ。
 びっくりしつつ、薬師寺展にいらしているのは、実にもっともな感じもしたりして。
 5月20日の時点で50万人突破ということらしいから、数十万人が来場している中で、「偶然」居合わせるというのは、凄いシンクロ率だと思うのだが。
 「『陰陽師』、全巻読みました!」とサインしてもらえばよかったと後から思ったけれど、何も言えなかった(とはいうものの、終盤にさしかかるにつれ、あの漫画、私には理解不能だったのだが:笑)。
 でも、あの場に居合わせただけでも、恩寵を受けたような気持ち。
  私はあの漫画を読みながら、平安の空気をまるで経験したかのように描ける岡野玲子さんという漫画家はいったいどんな人なのだろう……と思っていたので。
 ちなみに、生・岡野さんはご自身が描く絵のように、美しい人でした……(手塚氏はよく目立つ金髪だった)。

 というわけで、なんだかありがたい一日だった。

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コメント

Kateさん!
ついにいらしたんですね!!
良かったー。「つまんなかった」って言われなくて。

私のブログ・フェアにもどうぞ遊びにいらしてください。
お約束のベスコフのバッグ、出しています。

(※コメント後半、私的な内容部分は、お読みになったら
どうぞご遠慮なく削除してください)

投稿: calvina | 2008年6月 2日 (月) 21:13

calvinaさん
つまらないどころか、とっても貴重なものを見ることができたと思っています。
80分並んだのも、なんとなく聖地(古寺?)巡礼的な気分でした。

ブログ・フェア、楽しみにしています!

投稿: Kate | 2008年6月 2日 (月) 23:22

ぜひぜひ「陰陽師」読みました!といって、サインのひとつももらってほしかった!
私の分まで(私も「陰陽師」にはまったひとりです。特に真葛ちゃんに!)

投稿: ローズ・マダー | 2008年6月 3日 (火) 03:29

あー、とうとう終わっちゃいましたね。行きたかったのですがどうしても時間作れず! くやしいなあ。「陰陽師」の11巻では若き晴明が薬師寺で重要なビジョンを見るシーンが描かれてましたよね。神聖幾何学的なビジョン、。陰陽師は読めば読むほどいろいろなことがわかってくるので本当に面白いです。

投稿: mamiko | 2008年6月 3日 (火) 12:56

ローズ・マダーさん
その場では、サインをもらうなんて、思いつきもしませんでした。
という以前に、有名人に声をかけるのは苦手な私……ひっそり発見して、こっそり見ているのが好きです(笑)。
でもやはりちょっと残念。
岡野さんの絵は、本当にきれいですよね。

mamikoさん
8日までやっていますよ!
明日4日から最終日まで、20時まで開館しています。
遅めの時間に行くと、ちょっと空いているようです。
私が行った日は、そのようでした。

11巻ですか……やだな、私、そのシーン覚えていません!
『陰陽師』、すでに手元にないのであった。
最後の辺りは壮大すぎて、ついていけませんでした。前半の感じが好きです。

投稿: Kate | 2008年6月 3日 (火) 21:14

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