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2008年4月25日 (金)

バター不足の、その向こうに見えてくるもの

 先日も書いたけれど、カルピスバターが買えないという、ちょっとグルメ嗜好の人が困る話ではなく、本当の本当に、バターがない。

 荻窪にあるグルッペという自然食糧品店から、毎月特売のお知らせやら何やらが届くのだが、その中に、こんな一文があった。

 バターが品薄です。
 
飼料高騰のため、乳牛を手放す酪農家が増えています。
 
市場に出回る生乳・乳製品の絶対量が減り、特にバターは現在大変品薄状態です。
 グルッペで扱っている
 よつ葉バター
 
群落バター
 も、メーカーさん側の在庫がつきかけています。

 ということらしく、最後に、購入の際に数量制限をかける可能性があることが記されていた。

 農水省の生産調整もあったうえに、そういった事情もあるのかと、なんとなく状況が見えてきたような気がする。
 飼料不足というのは、グローバルな問題なのだろうが、いずれにしろ、生産者がやっていけないこの日本のあり方は、深刻だ。
 
 バター以外の生産の現場でも、いろいろ大変なことが起きている。
 ものを作ったり、食べものを育む人たちにしわ寄せが来ている。
 買う側も、安さばかりを求めていたそのツケがそろそろ回ってきたようだ(中国産冷凍餃子事件がいい例)。
 バターがないことで、その奥にいろんなことが見えるような気がする。
 
 そう言えば、生活クラブ生協が提携している平田牧場(豚肉を扱っている)は、飼料も同じ地元から、ということを取り組んでいるらしい。 
 輸入するよりずっとコストがかかるらしいが……利用する側もその分のコストは払って当然と思う。


<追記>
 などと思っていたら、この記事を書いた後、酪農家の方のこんなブログを発見(他にも一般の方、お菓子屋さん、さまざまな人がブログで書いている)。 
 やっと現場の方の声を聞くことができた。
 やはり、凄くいろいろなことを考えさせられる(フランスは食糧自給率130%、なんていう数字の前でさらに考え込んでしまう)。
 バター不足については、こんな現実も背景に。
「既に報道されていますが、原因は主に牛乳不足といわれています。牛乳の消費がここ数年ずっと伸び悩んでおり、2006年には北海道で牛乳を廃棄する光景が見られました。そしてかなりの数の牛が殺処分になりました」
 このブログの「バター不足について」(2008年4月12日)からの一文です。
        ↓
ベーベ工房の牛とチーズの千夜一夜

 人間に「食べられるために殺される」ならともかく、牛乳のだぶつきのせいで牛が殺されていたなんて……なんともやりきれない思いがする。

 そして、牛乳は体によくないという、実はあまりはっきりとした根拠のない最近の健康情報ブームのことも述べられている。
 私も少しはそういう情報に耳を傾けていたわけで、胸が痛む……。

 まあ、バターなんか食べなくても死なないという意見もあるかもしれないが、現代の日本人の食生活においては、もう切り離せないものになっている。
 パン、お菓子、料理と、あらゆるものに使われている。
 というか、とにかく高カロリーでも私はバターが好きなのだあ~!

 食糧がなくても生きていける人は、ひとりもいない。
 その根本のところがないがしろにされているこの国は絶対おかしいし、変えていかなくてはいけないのだと思う。
 まずは個人としては、国産のものを買って支えるという方法があると思うが……。
 こうも国の政策が変だと困る。

<さらに追記>
 とある本を読み、デンマークは食糧自給率は300%を超えていることを知る。 
 300%……!!!。この本 です。

 その他、福祉、教育、エネルギー、医療などなど、いろいろなことが語られており、日本人でいるのが悲しくなる情報満載(笑)の本でございます。
 北欧が何もかもいいわけでもないんだろうけれど、こういう社会のあり方が実現できる国もある、ということは知っておいて損はない。

 

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コメント

はじめまして。アクセス履歴からうかがわせて頂きました。
「べーべー工房の牛とチーズの千夜一夜」を書いた恵と申します。この記事はとある翻訳家が目に留めてくださってGlobal 
Voicesと言うところに対訳つきで転載くださいましたが、こうやってあなたにも考えていただきとても光栄です。ありがとうございます。食糧自給のことはやはり国レベルでの取り組が必要だと
感じています。ところでkateさんのブログ、デザインがとても素敵です。またじっくり読ませてくださいね。これからもよろしくお願いいたします。とり急ぎ御礼まで。

投稿: ベーベ工房(けい) | 2008年4月27日 (日) 07:04

ベーベ工房けいさん
早速のコメント、ありがとうございます。
こちらこそ光栄です。
生産者の方からの記事を読めて、よかったです。
何が起きているのか、本当によくわからなかったものですから。
多くの人に読んでいただけるといいですね。
いろいろご苦労はおありと思いますが、食を育むというのは大切なお仕事だと
思いますので、頑張ってください。影ながら応援しております!
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: Kate | 2008年4月27日 (日) 14:10

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