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2007年10月14日 (日)

伊豆高原旅行――茄子のはな

 Img_0986_2 先週末、10月7日~8日と、ちょっと遅めの誕生日祝いということで、連れ合いが伊豆高原旅行を企画してくれた。
 それぞれ大阪、東京駅からなので、現地の伊豆高原駅で落ち合い、それからタクシーで10分ほどの宿へ。
 タクシーで10分というと、なかなかの距離で、かなり山の上といった感じ。
  泊まった茄子のはな という宿は、登ったところから、また細い石段の階段を降りて玄関に辿り着くという贅沢なつくり。
 草木染めののれんがかかっていたりして、いい雰囲気。Img_0984_2

 

 

 

 

 ここは、各部屋のバルコニーにある専用露天風呂が特徴。
 いつでも、好きな時にざぶんと入れるし、着替えを持って廊下をうろうろしなくても済む、というのがとっても快適だった。
 それもバルコニーがやたら眺めがよくて、こんな解放感たっぷりの景色を前にお風呂を入るなんて、初めての経験。最初はおそるおそる入っていたのだけれど、だんだん目隠しの木の戸も開け放して入るようになっていた(笑)。Img_0987_2
 浴槽は、なんと陶器でできている。
「これはどうやって焼いたのだろう? これが焼ける釜というのはいったいどんな大きさなのか?」と、ふたりでひとしきり話し合う。

 



Img_1026

 

 

 部屋からの眺め。天気が今ひとつで、あまりきれいに撮れなかったけれど、海が見える。

 
 

 のぼせそうなほどお風呂に入ったあとは、晩ごはん。
 部屋ではなく、調理場に近い、食事専用の部屋(仕切りがあって個室のような感じ)で取る。
 食事がまた美味しくて、お刺身の盛り合わせと天ぷらがちまちまと出てくる、いわゆる旅館料理ではなくて、和をベースに、洋食のテイストも程よく取り入れた創作料理。Img_1010
 先付は、小さなガラスの器に入ったもの(写真)。 コンソメのゼリーに湯葉とか、いろんなものが入っていた(あまりに凝っていて、何が入ってていたのか忘れた……)。
 前菜に、きのことチーズのムースと茄子とファグラのムースが2層になったものとか、結構凝ったものが出てくる。そうそう、この宿の「茄子のはな」という名前にちなんで、必ず茄子が料理に使われるそうだ。
 それから、鯛のお刺身など正統的?なものも出てくる。地元のお塩で食べるのが美味しかった。それから、生のわさびも付いていて、「結婚しない男」で桑野信介が使っていた、あの鮫皮のおろし器が用意されていた。
 嬉しくて、シャカシャカおろして、辛いっ!と言いつつ、まるまる1本、ふたりで食べる。
 おもしろくて美味しかったのは、熱く熱した玉石の上に鍋を乗せて蒸し焼きにした、鮭とさつま芋などの野菜。
 お肉は、富士山の溶岩を成型したものを熱して、そこでじゅうじゅう焼いたもの。味付けは、玉葱のみじん切りと塩とハーブ。
 最後は、竹で編んだお弁当箱を開けると、葉っぱ(何の葉か忘れた)にくるまれたご飯が出てくる。もち米に枝豆や松の実とか、ごぼうなどを炊き込んだご飯。
 締めくくりは、アイスクリームとフルーツのデザート。黒豆に金粉が飾ってあった。

 部屋に戻ると、レモンを浮かべた冷水が用意してあり、冷蔵庫には「夜菓子」として、チョコレートムースが!

 食休みした後は、せっかくだからと、またお風呂に。
 お風呂のあとは、バルコニーにある椅子に座って、お水を飲みながらぼーっとする。
「こういうバルコニーが自分ちにあったらいいねえ」
「ねえ。テーブルを置いて、お茶飲んだり、ビール飲んだりできたら、気持ちいいだろうねえ」と夢の話をする。

 天気はやや下り気味だったけれど、夜の雲の間から、ほんの束の間、星がきれいに見えた。

 朝もまた、ご飯の前にお風呂。
 夜も情緒があってよかったけれど、朝風呂も爽やかだ。
「明日、仕事に行くなんて信じられないねえ」と言い合う。

Img_1020 朝ご飯が、また豪華。
 明日葉(あしたば)という伊豆の特産の葉ものにフルーツを混ぜて飲みやすくしたジュースを最初に飲む。

 それから、ご飯とおみそ汁に、鯵の開き、湯豆腐、お刺身はたたき(何の魚か忘れた。あいなめだったか?)、こんにゃくの煮付け、おひたしなど。
 器や、盛り付けの演出が洒落ている。

 などなど、朝ご飯を堪能していると、あっという間にチェックアウトの時間になってしまった。
 楽しい時間というのは、どうして矢のように早く過ぎていくのだろう。

 名残惜しさを残しつつ、宿を後にする。
 会計の待ち時間のときまで、お茶と抹茶と小豆の一口和菓子でもてなしてくれたのが嬉しかった。
 ここは、老舗旅館ほど敷居の高い感じではないし、でも全体的に隠れ家的な、個室を大事にしたつくりがよくて、ホテルや大きな旅館にはない細やかな心遣いがよかった。
 とにかく、お料理が最高。旅先の宿というのは、たいてガイドブックなどで賭けのような気持ちで決めることが多いから、当たりだと嬉しい。

 帰りは、あいにく土砂降り。タクシーで伊豆ガラスと工芸美術館へ向かう。
 あまり期待していなかったのだけれど、「アール・ヌーヴォー、アール・デコ様式のガラス美術と装飾工芸」がテーマの美術館だそうで、ちょうどラリックやエルテの展示があり、私はラリックが好きなので、結構楽しめた。
 ラリックは女性や天使などの可憐で華麗なガラスものもいいけれど、聖テレ-ズをモデルにした、清冽な雰囲気のガラスの置物が素敵だった。ラリックはうねるような曲線が特徴だけれど、これは聖女らしく、まっすぐなラインで、聖テレ-ズを小さなバラが飾っていた。
 ひととおり見て、出口近くの土産物売り場に売られている、どぎつい色の大量生産のガラス製品を見て、「ああ、さっきの余韻がぁ~」と、ちょっとげんなりする。

 雨が全然止まないので、もうあちこち行くのはあきらめて、近場の喫茶店へ入る。
 豪華な朝ご飯のせいで、お腹も空いていないので、コーヒーとホットケーキのセットを頼む。
 そこでぼーっとした後、駅へ。
 踊り子号で熱海駅まで一緒に乗って、連れ合いとは、さようなら。
 本当に、終わってみると早いものだ。
 旅の終わりというものは、強烈ではないけれど微かな寂しさが漂う。
 上げ膳据え膳で、なーんにもせず、お風呂三昧、ご馳走三昧でくつろいだわりには、不思議に疲れていて、東京までうとうとと寝てしまう。

 伊豆高原旅行といっても、ほとんど宿でお風呂と食事を楽しんだ感じ。
 これはこれで、楽しかったと思う。

 東京に着くと、一気に現実に引き戻される。
 そして、西荻の駅に着き、家に向かう途中、金木犀の香りがした。
 秋も深まってきたなあ。
 今年も終わりに近づきつつあることを感じてしまう。 
 と、やはり、旅の終わりは、なんとはなしに感傷的な気分になってしまう。

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コメント

いいですね~。隠れ里のような旅館でふたりきり。
リラックスできたようでも、知らない宿で、好きなヒトといるという緊張感がどこかにあって、ちょっと疲れたのかな?
私も誰かと(やっぱり夫かな?)こんな旅行をしてみたいものです。

投稿: ローズ・マダー | 2007年10月16日 (火) 00:38

ローズ・マダーさん
疲れたのは、たぶん、お風呂の入りすぎ(お風呂って結構、消耗するんですよね)と
ご馳走の食べすぎと思われます(笑)。

ローズ・マダーさんも、ぜひ、だんな様とどうぞ!

投稿: Kate | 2007年10月16日 (火) 00:55

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