« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »

2007年5月に作成された記事

2007年5月14日 (月)

輝ける女たち

 ル・シネマが日曜の最終回は1000円というのを知り、さっき、日曜の夜の街へ映画を観に出かけてきた。

 水曜のレディスデーは激しく混むし、それに平日は最終回になかなか間に合わないし、眠くなるし……で、最近はもっぱらWOWOWの録画を自宅で観るばっかりだったから、この日曜最終回1000円というのは、いいなと思う。
 もちろん、今日は、観たい映画もちょうどやっていたので。

 Img_0822 カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、ミュウミュウといった豪華な女優たちが主演の輝ける女たち (原題は、LE HEROS DE LA FAMILLE)。
 観終わったあとも、なんだかとってもいい気分なので、洗った髪が乾くまでの間、ミニボトルの赤ワインをちびちび飲みながら、サクッと書き留めておくことにした。

 物語の舞台は、ニースの「青いオウム」というキャバレー。
  経営者のガブリエルは、女好きで、それでいて女装して店に出たりもするユニークなキャラクターで、皆に愛されていた。
 そのガブリエルが急死し、今まで疎遠だった家族が呼び集められ、彼の遺言により、家族の一人ひとりが今までの人生を見直し、少しずつ変わっていくというストーリー。
 エマニュエル・ベアールは「青いオウム」の歌姫(という役柄が納得の美しさ。彼女も40を超えているはずなんだけど、ますます凄いです)、カトリーヌ・ドヌーヴとミュウミュウはガブリエルの元妻という役。
 3人とも存在感たっぷりで、彼女たちが出てくるだけで、なんだか嬉しい。
 本当に美しいんだもの。それは、顔の造作やスタイルがどうのこうのという次元ではなく、存在から滲み出る輝きのようなもの。そういう意味では、この「輝ける女たち」という邦題は、合っているのかも。
 カトリーヌ・ドヌーヴとミュウミュウも年をとって、フェイスラインもちょっとたるんでいるけれど、年齢相応という感じで、ハリウッドの女優のように整形やアンチエイジングに血眼になったりしないんだろうなという余裕を感じさせる。
 とにかく、カトリーヌ・ドヌーヴの美しさといったら!

 「クィーン」のヘレン・ミレンも魅力的だったけれど、こんなふうに年を重ねた女優さんが活躍しているのを観るのは、目と心が潤う。
 フランスの女優さんは、魅力的というより、魅惑的。
 それから、キャバレーのインテリア、衣装、メイクなどは、1930年代(1940年代?)風でとても素敵だった。で、彼女たちの日常着はシンプルで、あるいは70年代風だったりして、それがまたカッコよくて……。
 映画全体の芳醇で艶やかな感じは、やはりイギリス映画にはなかなか出せない味わいで、フランスなんだよなあと思わせる。 

 ところで、久々のBunkamuraのル・シネマだったけれど、ここの地下にあるカフェ、ドゥ・マゴの辺りは、『本格小説』で、よう子ちゃんと太郎ちゃんが逢瀬を重ねる場として使われている。
 ふたりが買い物をしたフェラガモは、現在はエルメスに変わっていた。
 『本格小説』には関係ないけれど、東急本店の向かいには、よさそうなビストロが新しくできているのを発見。
 そんなのを横目で見ながら、ひとりで日曜の夜にふらっと映画に出かけるのも、ああ自由!という感じで、シングルの醍醐味なのだけれど、今日の映画は、できれば好きな人と観て、そのあとビストロなんかでワインを飲みながら食事して映画の話をするのが相応しいものだったなあ、なんて思う。

 でもまあ、この日曜最終回1000円は、老若男女問わずなので、おすすめ。 
 珍しく、いい感じの日曜の夜だった(いつもは、軽く憂鬱な感じですごしています/笑)。

| | コメント (2) | トラックバック (0)
|

2007年5月13日 (日)

THE QUEEN

 

Img_0809  先週の連休に、「クィーン」を観た。
 1997年8月30日、ダイアナ元皇太子妃がパリで交通事故を起こし、死亡。
 その直後、エリザベス女王が葛藤を抱えながらどのような日々をすごしたか、当時政権を握ったばかりのブレア首相との関わりを中心に、1週間にわたって描いたもの。
 現役の女王であるし、いい加減なことは描けないだろうし、どのように創ったのだろう?と不思議だったのだけれど、パンフレットにある脚本家のインタビューによると、以前創ったブレア首相をテーマにした映画で、関係者に取材し信頼関係を得ていたので、今回もそんなふうに王室や首相関係者などにきちんと取材を重ねたうえで、創ったそうだ。

 初めは、ダイアナは民間人に戻ったのだから、王室は関係ないと一線を引いていたエリザベス女王だが、ブレア首相のアドバイスにより、国民の感情を無視できないと判断、追悼のスピーチをすることを決意する。 
 また、終始、母親を失ったふたりの王子を守ろうと心を砕いているところが、印象的だった。

 とにかく、ヘレン・ミレンの女王ぶりが素晴らしい。
 単なるそっくりさんではなくて、エリザベス女王の内面を見事に表現していた。感情に流されない毅然とした対応から立ち居振舞いに至るまで、すべてが。
 ヘレン・ミレン自身も演技している最中は、鏡の前を通りかかると「いったいこの人は誰かしら。あらいやだ、わたしだわ」なんて思い、どこかで女王の写真を見るたびに「ここにいるのはわたしじゃない。このとき、わたしは何をしていたのかしら」とまで思うようになったらしい。
 確かに、映画を観ているこちらも、ヘレン・ミレンが演じている女王を観ているというより、女王そのものに思えてきて、あら、本物のエリザベス女王って本当はどんな顔だっけ?なんて、思ってしまうのだった。

 今思うと、ダイアナへの世界的な熱狂は異常だった。
 脚本を書いたピーター・モーガンは「彼女は感情的に混乱した不安定で悲劇的な人生を送った女性として受け止めれられていて、もはや偶像的な存在とは見られていない」「結局彼女は英国の何ものも変えることはできなかった」と語っている。
 本当にそうなのだろう。
 彼女はあまりに華やかで美しかったし、亡くなったのも離婚からわずか1年後で、36歳という若さで、美しさの絶頂期だったから、あれだけ騒がれたのだろうけれど……まあ、それだけのことだった、ということだろう。
 あのロイヤル・ウェディングを、高校から飛んで帰って来て、テレビの前でかぶりつきで見ていた私ですが……年を重ねてドライ(?)になったもんです(笑)。

 それにしても、こんな映画が創られるなんて、英国の王室ってオープンだなあと思う。
 この映画でも、労働党のブレア首相は、自分とは価値観が違えども、女王のことは尊重しているのがよく伝わってきた。 
 階級や立場や価値観の違いを超えて、互いを尊重しつつ、つながっていくのが大人の社会なんだろうな……と、フリアーズ監督のメッセージがこんなところに込められている気がする。 
 随分前に観て、やはり凄く好きだったフリアーズ監督の「マイ・ビューティフル・ランドレット」も英国で暮らす移民と英国人男性がゲイのカップルになり、ふたりでランドレット(コインランドリー屋)と開くという物語だった。 

 スコットランドのお城のシーンもきれいで、女王が自らランド・ローバーを運転するとか、意外な一面も見えて、おもしろかった。
 今までダイアナばかりに光が当てられ、あまり正面きって語られることのなかったエリザベス女王に対する、新しい見方を提供してくれる興味深い映画だった(だけど、この映画の中でも、チャールズ皇太子は存在感がなかった。偉大な母と美しい妻に挟まれて、いろいろ辛いことも多かったのであろうと想像させる描き方/笑)。
 王室廃止論もあるそうだが、当分はなくならない気がする。
 無駄、と言えば無駄なんだろうけれど、歴史のある美しい無駄は、それなりに意義があるのではないかと……。

 

Img_0819  2002年、エリザベス女王戴冠50周年を記念して販売された、Golden Jubileeという紅茶。
 当時、新宿伊勢丹で購入。
 ちなみに、Whittardというブランドでダージリンとアッサムのブレンド。
 でもそれほどおいしくなかったような記憶が(笑)……このブランド、日本の水には合わないんじゃないかと思う。

 缶は未だに大事に飾ってあります。やっぱり、私って英国王室ファン?

| | コメント (2) | トラックバック (0)
|

« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »