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2007年2月に作成された記事

2007年2月18日 (日)

長葱のキッシュには「ハケンの品格」――「ケ」の食事

 マンダリン オリエンタル 東京のディナーから一夜明けた週末は、いつもどおり「ケ」の食事に。ミネストローネと、いつもとちょっと違う一品を。
 Img_0681これは、SENSEのディナーのように写真映えしないけれど、こんがり焼けたキッシュで、中味は、なんと長葱がメイン。
 長葱(と玉葱も少し)を細切りにしたものを、あらかじめつくり置きしておいた蒸し豚(細かく刻む)と一緒にバターでさっと炒め、豆乳と卵を混ぜたものに入れ、パイ皮に流し込んで、おろしたチーズをまぶしてオーブンで焼く。
 元になったレシピは、ベーコンと生クリームを使うものだったのだけれど、カロリーを考えたり、冷蔵庫にあるものを見て、なんでも自己流にしてしまう。
 焼き立ての熱々のもおいしいけれど、冷まして一晩置いて味を馴染ませたのもいける。

 こんな「ケ」のメニューに合いそうなドラマと言えば、日テレのハケンの品格。
 週末じゃなくて、水曜の夜にやっているのですが。
 ハケンとは、派遣社員のこと。不景気になってから、圧倒的に増えた「派遣」(非正規雇用)がテーマ。主演は篠原涼子。彼女は本当にいい女優さんになったなあと思う。
 以前、やはり商社のOL役を篠原涼子が演じて好評だった日テレの「Anego」、あのドラマと同じ、中園ミホが脚本なので、このふたりは相性いいんだろうな。
 
 篠原涼子演じる大前晴子は、そんなせちがらい社会(会社)のなかで、スーパー派遣社員としてたくましく、かつクールにサバイバルしていく。
 このドラマは、正面から社会問題的に取り上げるのではなく、あえて「ハケン」とカタカナ表記しているように、立場の弱い派遣社員が誰よりも仕事ができて強くてカッコよくて、プライベートではフラメンコを踊る美しいひとりの女性という、「ファンタジー」にしているところがいい。
 あんなスーパーウーマン、いるわけないし……でもって、派遣をあんなにあからさまに差別する会社ってのもありえないんだけど――むしろ、表面的な対応はいいのに、給与や条件は格差ありまくり、ということが辛いわけで――でもまあ、ドラマだし、ファンタジーだからと、不思議とするすると見てしまえるつくりになっているのだ。
 相当、適当でインチキな設定やありえないエピソードだらけなんだけれど、それでも毎回見てしまうのは、篠原涼子の魅力だと思う。
 
 というわけで、阪神特殊製鋼の高炉建設のため、眉間に皺寄せてひたすら奔走している鉄平(=キムタク)の「華麗なる一族」に、ちょっぴり飽き始めた私は、週の真ん中の「ハケンの品格」に心が傾きつつある。

 定年後、嘱託として働くオジサン役は小松政夫で、彼が絶妙!
「ここは、老人のパソコン教室ではありませんっ!」などと、ハケンの大前晴子に一喝されるダメオヤジを軽妙に演じている(同じセリフを言いたいオヤジが、私の職場にも……)。
 前時代的な、いかにもな「男性正社員」を大泉洋が好演、篠原涼子との掛け合いがこれまた絶妙。大前晴子を名前で呼ばずに、「とっくり」と呼んだり(大前晴子がいつも色気のないとっくりセーターを着ているため)。会社に愛情を感じ、はりきっているんだけど、何をやっても空回りっぽく、「オンナでハケン」の大前晴子の方がデキるヤツになってしまう。彼には会社に執着しているが故の哀愁が漂う。会社の外から自分を俯瞰して見てみる、ということをしたことがない(まあ、一昔前の男性正社員は皆そうだったと思うけど)。だから、なんだかカッコ悪いのだ(でもドラマだから、憎みきれない設定になってるけど)。
 また、オトボケなハケン社員の若い女の子を、加藤あいがやっていて、まさに「ドジでノロマなカメ」といった感じなのだけれど、なかなか愛すべき存在になっている。
 今の時代の空気を映しつつ、女性が見て爽快になれるドラマかも。

 私も「ハケン」に関しては、相当語れると思う。
 最終的には、何社登録していたのか。
 つい最近まで「現在のお仕事状況はいかがですか?」なんて、派遣会社から電話がかかってきていた。辛いことが多かったけれど、ワードやエクセルの使い方を「タダ」で修得させてもらったのは、派遣会社のスタッフ研修ルームだったし、正攻法では絶対入れないような大手で仕事できたのも派遣だったからこそだし、いろいろな人との出会いもあった。
 だけど、もう、あの「時給生活」には、二度と戻りたくないなあ、などなど、悲喜こもごもで、そんなあれやこれやを思い出し、ちょっぴり複雑な気持ちにさせられるドラマなのだ。

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マンダリンオリエンタル東京でディナー――「ハレ」の食事

 先週、金曜日の夜は職場の人たちと食事会だった。
 なんでも社員旅行に参加しなかった人には、こういう交流会費が出るとかで「参加しなかったら、現金で支給されるんですか?」と聞いたら(笑)、「現金では支給されないんですよ」とのことで、私も参加することにした。
 毎月幾らかのお金が共済会みたいなところに引き落とされるのだけれど、そういうお金が回りまわって「社員交流費」として支給されるらしい。組織って凄いなあと思う。フリーランスでは考えられないことだ。
 一晩で、かなりの額を使えるので(一般人からすると)、女性陣で「自分では行けない、思い切りゴージャスなところ」とアイデアを出し合い、マンダリン オリエンタル 東京SENSE という中華のお店にした。
 ディナーのコース料理は、13,000円が最低料金(お酒は含まず)。
 昨年、取材でラウンジを使用したのだけれど……コーヒーがひとり1,800円だったホテルだけのことはある(笑)。

Img_0658 37階から見る、日本橋界隈――ということは本当に東京都心――の夜景。





 Img_0657
 テーブルには、きれいな赤いガラスのプレート。
 何が乗るのかな?と思っていると、お店の人がさっと、どかしてしまうので、あれ?と思っていると、「これは、ウェルカムプレートなんですよ」と教えてくれる。
 なるほど、赤い色で食欲の扉を開こうというのか。ここまでの演出を見たのは、初めてかも。ひたすら感心する。

 

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 天井には、中国風のガラスの飾りが下がっていた。
 ありがちな赤や金でコテコテしているディスプレイではなく、ガラスや黒のシックなものばかり。


 

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 思い切って、グラスのシャンパンを頼んでみる。
 シャンパンも好きなんだけれど、シャンパンこそ、ひとりではなかなか飲めないものだから。
 きりっと冷えていて、美味。










 

Img_0661 氷のようなガラスのお皿に映える、繊細なオードブル。
 セロリのピュレみたいなものの上に、鶉の卵の小さなピータンが……「この一口だけっていうのがいいのよねー」と言い合いながら食べる。
 これも自分では絶対につくらない、というか、つくれないもののひとつ。

 

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 フカヒレのスープ。「ライチの酢」を調味料として入れて、酸味を利かせて飲む。




Img_0665 
 ホタテと5種類の野菜ソテー。




 
 その他、オードブルも数種、魚と青菜のスープ、皮をカリッと焼いた鶏、あっさりした炒飯などもImg_0672
 最後は、デザートの盛り合わせ。
 マンゴーのプリンと、紅芋のタルト、蓮の実を入れた杏仁風味の一口ロールケーキ。デザートの中では、これが一番おいしかった。右上にちょこっとある、ちっこいのです。
 このデザート・プレートは、同じのをもう一皿食べたかった(笑)。

 
 今年定年退職するSさんは、お酒を結構頼んでいて、その赤ら顔を見ながら、窓際席を確保して端っこにいた私たちは、「Sさんの周りだけ空気が、歌舞伎町の居酒屋になってる!」とか「こういうところは、ゆっくり食事を楽しんで、お酒なんかほどほどにしてほしいよねえ」などと、本人には聞こえないように密かに悪態をつく。 
 あーもう、ほんとにオジサンは……。

 と、そんなシーンを除けば、優雅でゴージャスなディナー(笑)を堪能した。
 中華と言っても、これは中華風の創作料理なんだろうなと思う。
 フランス料理のコースのように、出てくる間が長かったし。
 でも、何を食べてもくどくなくて、すっきりとして、おいしかった。
 お店の人は質問しても的確に答えてくれるし、ちょっとしたグラスの水滴もナプキンで素早く拭ってくれるし、こちらから声をかけなくても、様子を見に来てくれるし(正に接客業の鏡!)。
 ホテルに入った瞬間から、レストランで食事をして終わるまで、すべてが美しく演出されていて、夢のような時間をすごせるように配慮されている。

 高いから当然と言えなくもないけれど、すべてが完璧というのもなかなかないのではないかと思う。やっぱり、このホテル、好きだなあと思う。

 私たちは大人数だったので、奥のテーブル席だったのだけれど、窓際にぴったりと面したふたり掛けの小さなテーブル席も、ロマンチックでとっても心地よさそう。
 こんなところで、デートできたら素敵!なんてその時は思ったけれど……でも、逆に本当に好きな人とだったら、自宅で小さなキャンドルを灯して、1本1000円のワインとバケットと野菜スープだって甘美な空間と贅沢なディナーになるわけで――なんて、山田詠美チックなことを思ったりして――まあ、こういうお店に「個人」で来ることは、まずないだろうなあ。

 とにかく、目と舌のよい保養になりました。
 いつも自分でご飯をつくっているので、こういう気分転換も必要ですね。
 正に「ハレ」の日のお食事でした。 
 せっせとお勤めしていると、たまにはいいこともあるものです(笑)。
 
Img_0680 随所に飾られていたガラスの置物。
 仄かな灯かりに照らされて美しい。

*以前、このホテルのラウンジで取材をしたことがあります。その時の話は、こちら をどうぞ。

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