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理想のバッグは何処に?

 通勤用のバッグを買い替えた。
 今まで使っていたのは、russet (ラシット)という日本のブランドのトートバッグ。本体はナイロンで軽いのだけれど、持ち手はしっかりとした革なのが気に入ったのだ。ところが……使っていくうちに、徐々に通勤用バッグとしては不備な点を発見。
 Img_0501_5まず、ギャザーが寄っているので、A4サイズの書類が入るには入るけれど、真っ直ぐ入らず、ぐにゃりとしなる。そんなの買う前に見ればわかるじゃないかと思われそうだけれど、その時はなぜか冷静な判断が働かなくて、このギャザーが可愛い!なんて思ってしまったのだ。
 そして、もうひとつ。ポケットが左右の外側に付いているのだけれど、結構タプタプとゆとりがあり、それでいて浅いので、入れたものが落ちそうな気がするところ……携帯と定期を入れていたのだが、ちゃんと収まっているかいつもチェックして心配していた。
 さらに、雨が強い日は、そのポケットの中に容赦なく雨が吹き込むのである。
 雨の日は、携帯も定期も中に避難して、ポケットの中の水滴をタオルで拭き取ることになる。
 なんてことを、ほぼ1年間繰り返し、お弁当持参の日はセカンドバッグが必要だし、もう限界だ!と思った。

 例の如く、仕事帰りに、新宿伊勢丹のバッグ売り場を何日か歩く。
 でも、私好みで、私が求める機能に叶ったデザインで、予算に見合ったものがない!
 以前のブログでも書いた記憶があるが、これだけモノが溢れているのに、ほしいものがないというこの不思議……。

 売り場をウロウロしているうちに、またもやあまり実用的とは言い難いアニヤ・ハインドマーチのバッグに目がいき、いっそこういう楽しい写真プリントのを買っちまうか!という無謀な衝動にかられるが、衝動買いするには4万近いお値段はいくらなんでも……なので、すぐ冷静になる。

 で、これかも!と思ったのは、今までとまた同じブランド、russetのトートバッグ。肩凝りの私は、革のバッグは重くて辛いので、結局このブランドになってしまうようだ。russetのバッグは、ナイロンと革の割合が絶妙で、軽いわりにはきちんとした雰囲気なのがいいし、シックなモノグラムは何にでも合わせやすい。
「A4サイズを縦にしても横にしても入ります。それに、これは新宿伊勢丹だけのオリジナルカラーなんですよ」
 と言う店員さんの言葉で、すぐ決めてしまった(限定品に弱い私…)。それに、この季節に着ている渋めのオレンジ色のトレンチコートとも、色が合いそうだし。値段も1万2千円、アニヤ・ハインドマーチと比べて3万近く安いので、なんだか得した気になる(が、別に何も得はしていない/笑)。
 むしろ、1円もボーナスが出ない身には高い買い物だ。

Img_0495_2 だけど、このバッグを持つようになってから、凄く気分が変わった。
 あのギャザー入りバッグを持っていた時は、日々、小さなストレスが積み重なっていたようだ。
 今回選んだバッグは、書類はもちろん、内ポケットが3つに携帯入れも別にあるので、モノが取り出しやすい。ここはハンカチ類、ここは定期と名刺入れ、ここはお財布、と整理がつく。お弁当箱もすっぽり入り、カーディガン1枚くらいもOK。
 そのうえ、ハードカバーの単行本1冊に、帰りがけに買ったパンの包みなんかもふわっと入れることができる。それくらい入れても、持ち手の革がしっかりしているので、手が痛くならない。そこのポイントはかなり高い。ストレスもなくなって、通勤するのが楽しみになったくらいだ(ほんのちょっとだけどね/笑)。バッグひとつでこんなに気分が変わるのなら、安いものかも。

 唯一、見つけた欠点は、ショルダーになりそうでならないところ。
 持ち手がしっかりしすぎていて、厚みがあるため、肩にかけても落ちてきてしまうのだ。
 まあ、なかなかパーフェクトなものはないってことか……。

 本当は、いちばんほしかったのはセリーヌの「働く女性が作る理想のバッグ」というもの。
 昨年の2005年、創業60周年のセリーヌが、美術、写真、文学の分野で活躍するパリジェンヌ3人が理想とするバッグ、というのを作ったそうなのだ。
 その写真を見て、私のほしいのはこれだ!と思った。大振りで、ブロンズオレンジの糸を織り込んだ布地に持ちやすそうな革の持ち手。ポーチがいくつか付いているとか、パーティ用のバッグ付きとか、旅行鞄にもなるとか、3人の職業が反映されたデザインだったらしい。
 当然、限定発売もので即完売だそうで、お値段も10万円台。
 そんなに活躍もしていない私には分不相応なものだけど、と思いつつ……ほしかったなあと思う。エルメスと比べたら安いし(と、どうも感覚が狂う/笑)。
 しかし、そのバッグ以外は、セリーヌにはあまり惹かれない。
 ここで、ちらっとそのバッグが見られます。ELLE ONLINE
 3人がデザインしたそれぞれのバッグも載っています。私は「モードとテキスタイル博物館」キューレーターのパメラ・ゴルバンのバッグがいちばん好き。

 毎日変える洋服と違って、バッグ――特に通勤バッグ――は一層身近だし、それによって気分も変わるから、大切だ。それでもって、通勤用の機能優先バッグだけじゃ、やっぱりつまらなくて、つい「お出かけ用バッグ」にも目がいってしまう。
 「どこにお出かけするんだよ?!」と自分にツッコミを入れながら(笑)。
 仕事と生活と夢と……本当に女性にとってバッグって、何なのかなあ。
 ブランドものを持って自分をよく見せたいのは愚か、とかなんとか、「日本女性」はよく非難される(確かにそういう人もいるだろうけど)。でも、もっと切実な、というか、自分の分身と言うと大げさだけれど、そこにはお守りみたいな気持ちも入っているような気がする。
 特に仕事のためのバッグは、この世知辛い世の中で働いていく上での拠り所、みたいな……なんて、女性とバッグの関係に関しては、実はよくわからない。
 自分自身も女なのだけれど。

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