« ラヴェンダーの咲く庭で | トップページ | コーラス メモリアル・エディション――「人と人を結びつけるのは、もしかしたら悲しみではないだろうか」 »

2006年9月16日 (土)

結婚できない男――半分見逃した一編集者の繰り言とかミロンガとか

 12日の火曜日の「結婚できない男」、半分見逃した! 
 今まで、すべての回を欠かさず見続け、3回目以降くらいから録画したHDDも全部残しているというのに。まずリアルタイムで楽しみ、レポートを書くにあたって、どこをポイントにするか、たいてい2度見てから書いているから。
 そんな忠実な一視聴者の私が……なんということであろうか。
 もう最終回間近なのに、レポートも書けず、アクセス数も激減(笑)。

 同じ職場の同じに「結婚できない男」ファンのMさんが、金曜のランチ時に、阿部ちゃんの手振り身振り口振りを真似ての大熱演で「ひとり再現ドラマ」をしてくれたおかげで、だいたい話の全貌が掴めてきたが、ますます見たくなってしまった。
 信介は施主に無理矢理、キッチンの壁を花柄にしたいと要求され、花柄を描かされたらしい。
 建築家と花柄。
 これほど相反するものはないように思える。この前、冗談で花柄シートを貼った棟梁と取っ組み合いの喧嘩していたのは伏線か(笑)。
 この辺も、ドラマに協力していらっしゃる建築プロデューサー 朝妻さん のアイデアでしょうか。まさか、実話に近いことがあったとか?(笑/朝妻さんの日記を読んでわかったのですが、建築家の皆さんもあのドラマを結構チェックしているんだそうです)。
 建築家も「建築家に設計を依頼するような施主」もほとんどの場合は、花柄なんていうものは、まず排除されるべきものの筆頭に上がる。私が取材させてもらった建築家住宅には、花柄がひとつもなかった。壁紙を貼る家というものがまずなかったけれど、カーテンも使用している家はなかった。ほとんどの場合、ブラインドやロールスクリーン的なもの。あるいは和の感じで、障子っぽいものをうまく取り入れたりとか。
 だから、花柄紛争で、塚本君演じる英治クンの殴り込みシーンまで発展するというのを、ぜひ見たかったと思う。

 お洒落な人に憎まれる花柄だけど、実は私自身は結構好きだったりする。
 ウィリアム・モリスとかリバティプリントの、渋めのアンティーク風な趣のものとか、キャス・キッドソンの懐かしくて可愛らしい感じのとか。
 実際、私の部屋のカーテンはローラ・アシュレイの生地を自分で縫ったもの。縫い目はガタガタで相当しょぼいけれど、10数年使い続けている年季の入ったもので、色褪せてくったりしてきていい感じ。
 しかし……そんなふうに花柄好きの私だが、もし、ウィリアム・モリスとかリバティプリントの本格派な花柄のどっしりとしたカーテンの下がった家に住む男がこの世にいるとしたら怖いかも。部屋に上がった途端、逃げるかも知れない。それこそ、本当の「結婚できない男」って気がする。

 その他、Mさんの話を聞いていると、特に私が見逃した前半はランチ1時間分では語り尽くせないほどの内容で、本当に悔やまれた。

 なぜ見逃したかというと、神保町で飲んでいたから。
 飲む予定なんかじゃなかったんだけど(だから録画してなかった)、この日、ちょうど校了日で、他の部署の同じ校了日の人たちとかお仕事をお願いしている組版屋さんなんかとわらわらと……おいしいベルギービールを飲んだあと、そのまま帰るつもりだったのに、「Kateさんがいかにも座っていそうな店」
が路地裏にあるからと言われ、それはどんな店なのだろう?という好奇心で、ついふらふらと行ってしまったのだ。

 で、その店で、
「いやあ、Kateさんが担当編集者になってくれてから、えらく助かってます。
この時期の残業、1日3時間は減りましたよっ!」
 と組版屋さんの青年S君に言われ、ふだん褒められることもあまりないので、
「そう思っていただけて、何よりです」
とつい嬉しくてへらへらしてしまい、思いのほか時間が経ってしまったのだ。くぅ……。
 お店の女の子におだてられている酔っ払いのオヤジみたいだ。

 某大手で派遣で働いていた時、200数十ページの内容みっちりの月刊誌の進行管理を担当してからというもの、
「いかに精度の高いもの(原稿+材料)に仕上げ、きっちり整理してから入稿するか」
「優先順位を付け、前倒しして、どんどん早め早めにやっておく」
というのが自分の根幹をなしているので、そこが認めてもらえると嬉しい。
 その某大手で学んで仕込まれたというようなキレイな話ではなく、あまりに印刷所とのトラブルが多く、自分も先方もさんざん泣いたので、それを避けるための発想法で仕事をしていくと、世間では「仕事ができる」ということになるらしかった。

 仕事というのは、このようにして身に付いていく、身に付けていくものであると思ったりもした。

 わぁ、なんかまたオヤジの仕事人生訓みたいになってしまった(笑)ので、客観的なことも添えておくと、こういう実務系なのは仕事としてどんどんこなす方だけど、売れる本を編集する!というような企画力には乏しい私である。
 実務系か好きなことを書き綴るか……という両極しかできない編集者だ。
 だから、編集者としては、いわゆる「できるヤツ」ではない。

 さて、おだてられた後で、なぜかいきなり、
「Kateさんは料理なんか全然しなさそう!」とか
「朝、起きれなさそう!」

という話題で、皆で盛り上がる。
 後者は当たっているが(でも、今は9時始業を毎日こなしているんだぜ!)、前者は断じて間違っている。
「週末は玄米を炊いて小分けにして冷凍したりしているんですよー」と言っても、あまり本気にしてもらえなかった。とほほ。
 そう言えば、この春、友人とイタリアンでランチした時も「Kateさんっていかにも運動しなさそうだよねー」なんてことも、ちょっとからかわれるように言われたっけ。
 今思い返すと、いかにも運動しなさそう→デブってこと?などと思うが……。
 まあ確かに運動しないけど。家でやるストレッチやゆるヨガは運動の範疇に入らないらしい。でも、私はジムに通ったりテニス教室に入るの、なんだか嫌いなのよ。

 私のイメージってどうなっているんだ?

 もう、いいもん、そういうイメージなら、
今後、好きな男ができても絶対料理なんかつくってやるもんか!

と思う。そんなにつくらなさそうに見えるのなら、誰か、私においしいものを作っておくれ、とも思う。

 と、まあ、そんなことをだらだら言われたり言ったり思ったり笑ったりしているうちに時間が刻々と過ぎゆき、酔っ払いながらも慌てて帰宅したのだけれど、間に合わず、貴重な「結婚できない男」半分を見逃したわけだ(録画している方がいたら、どなたか貸してくださいまし)。

 見逃したことをテーマにこれだけレポートできたのも凄い(自画自賛)。
 見てもおもしろく、見逃しても悔しくて、いっぱい書けてしまう。

 ま、たまには、外で飲むのも悪くないけどね。
 Mirongaところで、「Kateさんがいかにも座っていそうな店」というのは、三省堂の裏口近く、本当に路地裏のミロンガ・ヌオーバ という昔からある古い、喫茶店とBarが合体したような隠れ家のような店だった。ネットで調べたら、タンゴ喫茶とあった(笑)。その夜、タンゴが流れていたかどうか記憶にない。
 そして、ミロンガに座っていた経験は、皆さまの期待に反して残念ながら、ない。
 でも、遠い昔、古本屋探索をしながらコーヒーを飲みに入って、一度くらい座ったような記憶は微かにある。

 それにしても、隠れ家のような場所というのは、確かに悪くない。
 信介に家の設計を頼むとしたら、「明るく風通しのいい開放的な家が好きなんですけれど……どこかひとつだけ、隠れ家みたいな小さなコーナーがほしいんです」と言うかも知れない。

|
|

« ラヴェンダーの咲く庭で | トップページ | コーラス メモリアル・エディション――「人と人を結びつけるのは、もしかしたら悲しみではないだろうか」 »

コメント

こんにちは。月刊誌の進行管理って、Kateさんはさらっとお書きになっていますが、大変なお仕事なんですよね、あれは。僕の知人が月刊情報誌の進行管理をしていましたが、傍から見ていても神業としか思えない手際でした。Kateさん、有能でいらっしゃるんだなあって感嘆しました。雑誌によって校正の仕方はずいぶん違いますが、例えば情報誌だと、広告記事の部分は多少誤植があってもまだいいんですよね。洒落にならないのが、電話番号や住所、営業時間帯、料金なんかのデータ部分の誤植。色校正が終わっても、そうしたデータ箇所の誤植が見つかったら、直さざるを得ないのですが、お金がかかるし、進行管理の人には白い眼で見られるしで、ツラいんですよね、これが(笑)「結婚できない男」リアルタイムでは観ていないのですが、DVDになったらレンタルで借りて、Kateさんのエントリーを再読しながら観てみたいなと思います。楽しみがひとつ増えました。ありがとうございますね!

投稿: 灯 | 2006年9月16日 (土) 08:04

あ、アップが遅いなと思っていたら、Kateさんも見逃していたとは。ぼくも留守録のセット完全に忘れて見そこないました。だれか録画してる人〜〜〜!

Kateさんが料理しなさそうが見える?? なんでだろ?

投稿: beeswing | 2006年9月16日 (土) 12:28

灯さん
コメントありがとうございます。
そうです、月刊誌の進行管理、大変でした。
十数名の外注の校正・校閲者をどのように仕事配分するかとか、ぎりぎりになって届く広告とか(クライアントには文句言えないし)、発狂しそうになったことが多々ありました。
編集者はクリエイティブな部分も確かにありますが、赤ペンを握って原稿やデータを突き合わせ、年がら年じゅう、間違い探しをしている……というのも日常です。

このドラマの記事は、「ドラマ 結婚できない男」というカテゴリーにまとめておこうと思うので、どうぞお楽しみください。

投稿: Kate | 2006年9月16日 (土) 13:14

beeswingさん

>Kateさんが料理しなさそうが見える?? なんでだろ?

なぜでしょうか。
運動しなさそうに見えるのと同じで、あまりシャキシャキ動くように見えないのでは?(笑)

投稿: Kate | 2006年9月16日 (土) 13:19

ものすごい早口でまくし立てるとかしないし、なんかこう落ち着き払った風格が漂う感じだから? そう悪いことでもないような^^。

絵に描いたようなというか、ドラマに出てくるような“クリエイティヴ”な仕事してる編集者なんて、ほ〜んとにごくごくわずかで、基本はじつにじつに細かい地道な作業ばっかりだよね、ほんとに。出版という業種じたいも合理化できない部分が多すぎるから、本来は儲からなくて当たり前なんだよね。

投稿: beeswing | 2006年9月16日 (土) 14:47

beeswingさん
今回、このドラマでは、現場で仕事している建築プロデューサーが協力していることで、細部にリアリティが生まれたと思うんですよ(多少、誇張されている面はあるにしても)。だから、建築家の人が見ても楽しめるドラマになったんじゃないかなあ。

編集者をドラマに出す時も、本物の編集者に話を聞きに来いって感じ。
作家の自宅まで行って「先生、原稿をください」(古っ!)なんていう編集者なんてごく一部だしね。だいたい、出てくるのは作家先生担当かかファッション雑誌の編集者ばかりだし。
情報誌とかカタログ作ってる編集者は出てこないもん。現実にはそっちの方が多いんだけど。

投稿: Kate | 2006年9月16日 (土) 15:55

KATEさん
ミロンガ懐かしいです。
あと、その路地にロドリオって言うのもあって、たしかこっちはシャンソン喫茶だったと思いますが。私たちの間ではミロンガとロドリオと言う感じでいつもセットで読んでました。
ミロンガのアイスコーヒー、私好きです。

投稿: うめめだか | 2006年9月16日 (土) 21:17

そうそう、売れっ子作家の担当とか、スタイリストやモデルに囲まれてる女性誌の編集とかなんてほんのごくごく一部なのにね。でもリアルな編集者が出てきたら視聴率稼げないかも^^;。

投稿: beeswing | 2006年9月17日 (日) 00:00

うめめだかさん
そう言えば、以前のブログでもその辺りのお店を
教えていただいたことがありましたね。
今度、ロドリオの方にも行ってみます。
銀座もいいけど、神保町には独特の魅力がありますよね。

投稿: Kate | 2006年9月17日 (日) 00:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/84419/3459130

この記事へのトラックバック一覧です: 結婚できない男――半分見逃した一編集者の繰り言とかミロンガとか:

« ラヴェンダーの咲く庭で | トップページ | コーラス メモリアル・エディション――「人と人を結びつけるのは、もしかしたら悲しみではないだろうか」 »