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2006年7月25日 (火)

結婚できない男――こういうウンチク男、どこかで見たような

 『結婚できない男』、今夜も笑わせてもらいました。
 すべてのシーンに笑いのツボと辛辣さとちょっとしんみりさせるところが、ぎっしり詰まっていて、どこがおもしろかったと一言では言えない。

 それにしもて、阿部寛演じる桑野信介――あのウンチク好き、「一般大衆」を小馬鹿にする感じなどなど、結婚できる、できないは別として、あの種の男性がいることは事実。
 離婚した、私の元夫もそうだったから(笑)、思い出してしまった。
 桑野信介ほどオタクではなかったが、ゴダールのウンチク話はよく聞かされた。何を語っていたのか、今となってはもう何も思い出せない。鈴木清順の風変わりな、ながーい映画も彼のお気に入りだった。膨大なレコードや本を大事に抱え、高級自転車を狭い部屋の廊下に置きたがった。勢いで結婚してしまったけれど、今思うと、ほんと結婚しちゃいけない男だったなあ(ま、それはお互いさまの部分もあったが)。
 あと、街中に出ると「なんで、こんなに人が多いんだ。まったく、どいつもこいつも、うろちょろしやがって、何がおもしろいんだ!」みたいなことをよくまくしてたてていた。
 さらには「田舎者がぞろぞろ出てきやがって」。
 私自身に対しては暴言は吐かなかったけれど……とにかく、そうやって悪態をつくのが楽しいらしかった。だから、相槌を打ってあげないと不機嫌になるのだった。
 街中の人込み嫌いで言えば、自分だって、その人込みの要因をつくっているひとりなのに、自分は違うらしい。
 それでいて、妙に職人とか下町好きで、そういうものに対しては評価が高い。自分は、粋がわかる都会の人間(江戸っ子)だと思いたいらしい。
 だから、桑野信介が、浅草で飴細工職人の包丁さばきをじっと見つめたあと、目を細めて「プロだな」と、ひとり呟くシーンでは、爆笑してしまった。わあ、いかにも言いそうと思って。
 う、うま過ぎる、この演出! そして阿部ちゃんの演技! もう演技とは思えないんですけど(笑)。
 こんなディティールをよく描いてるなあと、笑いながら――ま、私もひとりで笑ってるわけですが――感心することしきり。

 ブログでもこのドラマの話題は多い。
 それから、桑野信介が聴いている音楽はクラシックだが、選曲もなかなか優れているらしい。
 というのを、知人のブログで知った。これを読むと、番組中でかかった曲名がわかる(笑)→CLASSICA
 私はこのブログで「クラヲタ」という言葉を知りました(笑)。

 それから、建築家の仕事、事務所の雰囲気、アシスタントの使い方、建築現場での大工さんとのやり取り、建築プロデューサーのお仕事など、違和感なく描かれているなあと思ったら(ドラマってそれはないでしょ~!みたいなことが多いが)、やはり本物の建築プロデューサーの方が協力しているそうだ。
 ということが書かれているブログも発見しちゃいました→業界唯一完全独立系建築プロデューサー

 そう言えば、前回のことになるけれど、その建築プロデューサー役の高島礼子のセリフに、「私もマンションほしいと思っていたんだけど、桑野が設計した家を見ているうちに、ああ、こんな家で誰かと暮らしたいなあと思うようになったの。だから、マンション買うのはやめました」というようなのがあった。
 これにはいたく共感。私も仕事で、建築家が設計した家を何軒か見たけれど、あれを見てしまうと、お仕着せのような画一的なマンションなんて、ほんと色褪せて見えるのだ。
 あのセリフには、バリバリ仕事をしていたとてしても、ひとりの女性としての切実な実感というか憧れみたいなものがこもっていたと思う。

 さて、今回は花火大会の絶景をひとり占めにして、ひとりで楽しんでいた桑野信介。
 ここでも、キリッと冷えた白ワインや上品なオードブルを、「自分だけのために」周到に準備していた、というのにまた爆笑。
 本当に分かち合うということをしない人だ。早坂先生が来るのをちょっぴり期待していたみたいだけど(笑)。
 
 とにかく、こういう人は、自立しているのではなく、孤立しているのだそうだ。
 内田樹氏によると→内田樹研究室―消費税なんか怖くない

 
 このままでは、毎週火曜日このドラマを見たあとは、何か書かずにはいられないくなるなあ。来週は自制するぞー。

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コメント

『結婚できない男』、そんなにおもしろいんですか!(ケイトさんの文章読んだだけでゲラゲラ笑ってしまった!)
いや、実は面白そうだなあと気になってはいたんですが、火曜日はあいにく帰りが遅くなることが多くて、なかなか見れなくて。
来週は録画するかな。
でも、阿部ちゃん、ホントいい役者になりましたよねえ。わたしの中でもイチ押しです。
ノンノモデル出身で、最初はどうなることかと思ってましたけど(笑)よくぞここまで...!
阿部ちゃんもいいけど、ドラマ自体も細かいところまでこだわって作られてるみたいでホント面白そう!
でも来週は自粛するなんて、そりゃないですよ、ケイトさん。
だってドラマの感想、面白すぎる。
連載してください(笑)。

投稿: カロリーヌ | 2006年7月28日 (金) 21:45

カロリーヌさん
ぜひ録画してまで見てみてください。
面白くなかったら、私が責任取ります(ウソウソ)。

>でも来週は自粛するなんて、そりゃないですよ、
>ケイトさん。
>だってドラマの感想、面白すぎる。
>連載してください(笑)。

ひょーっ!
あれこれ忙しく(このブログ書きのせい?!)、最近平日は睡眠時間が5時間を切ることもあり……ちょっとヤバイ気がしています。
仕事中、よく気を失いかけています。
そのせいでバランスが崩れているのか、太ったような気がします。

何の話かわからなくなりましたが。

とにかく、阿部ちゃん、最高ですね。
あんな素晴らしい役者で、もしプライベートではちゃんとした人だったら、結婚したいわよ(爆)。

 

投稿: Kate | 2006年7月29日 (土) 02:29

はじめまして。
建築プロデュース ベースメントの朝妻義征と申します。

アクセス解析からこちらを発見しお邪魔しました。
リンクありがとうございます。

出来る限り「そんなことないだろう~」と言われぬように
がんばっておりますが、何かと制約も多くこちらのお願いしたとおりにはならないところも多々あります。

今後も皆様のご意見を参考に努力いたしますので
ドラマ『結婚できない男』の応援をよろしくお願いいたします。

投稿: 朝妻 | 2006年8月 8日 (火) 17:37

朝妻さま
このブログを見てくださったうえ、コメントまでいただきまして恐縮です(笑)。
以前、編集者として建築家住宅の単行本の制作に携わったり、某住宅雑誌の編集部にもちょこっといた経験があるので、あのドラマはとても楽しいですし、いい線いってると思います。
朝妻さんのようなプロの方がいらっしゃるから、ドラマに奥行きが出ているんでしょうね。
縁の下の力持ちとしてがんばってください。
これからも期待してまーす。

だけど、今回初めの方で、信介が大工さんに要求していた工法は何だったのか――なんか面倒なことを言っていたんですよね――聞き取れなかったなあ。

あー私も建築家に家を建ててもらいたい……その前に一緒に家を建てる相手を見つけないと……なんて言ってると、自分ツッコミになるので、この辺で。

投稿: Kate | 2006年8月 8日 (火) 23:39

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