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2006年4月16日 (日)

岡田准一クンの「東京タワー」

 この前、岡田准一クン主演の「東京タワー」を民放でやっていたので、すかさず観た。で、感想を一言で言うと、予想していた以上に変な映画だった(笑)。江國香織の原作は、それなりにシニカルな味わいがあってそう悪くなかったと思うけれど、見事に上澄みだけを掬い上げて映画化しちゃいました、という感じ。

Img_0077←私のバーチャルな恋人(笑)、岡田准一クン。
 「東京タワー」に出演中。背中も美しい……。

 黒木瞳はセレクトショップのオーナーらしいんだけど、なんであんなにしょっちゅうパーティを開いているんだろ?とか(必ず白人がいるし/笑)、黒木瞳のダンナ役の岸谷五朗がどう見てもリッチなCMプランナーには見えないとか、岡田准一クン(すでに役名も覚えてない)も学生で母親にパラサイトしてるくせに、なに優雅に人妻と不倫しているんだ?!とか(原作ではそういう若さゆえの歯がゆさも出ていたはず)、なぜいきなりパリに留学?(原作はもっと曖昧に終わったはず)とか、突っ込みどころ満載。
 原作と比較してみたいのだけれど、原作もやけにプチブルっぽくて読んで早々に古本屋に売ってしまっていたのだった。江國香織さんのは、かなり好きな作品もあるのだけれど、私は、この『東京タワー』にはあまりはまれなかった。
 映画を観たのは……もちろん、ただただ岡田准一クンを観たいから、に決まっているのですが。もちろん、美しかったです! ヌードまで披露して頑張ってくれていたし。アップも多かったし。
 しかしねえ、准一クンがいくら麗しくても、映画自体がつまらないと、どうも繰り返し観る気にはなれない(と言いつつ、2回観た)。
 叶わぬ恋に苦しみ泣いたりするんだけど、全然こちらの胸に迫って来ない。なんだか泣いてるなーくらいなもので、感情的に掻き立てられるものがない。そういう上澄みの映画の対極にあるのが「ブロークバック・マウンテン」だと思うのだけれど、これはまた近日中に感想を書く予定(まあ、比べても仕方ないですね)。
 で、話を戻すと、そういうふわふわした、ユルユルの映画の中で、俄然、突出していたのが寺島しのぶ。若い男の子(松本潤)と不器用に不倫しちゃう、専業主婦の役。主役の黒木瞳より断然よかった。「ダンナには何もしてほしくないの。私がいないと生きていけなくさせたいの。そうしたら、ほんとになーんにもできなくなっちゃった。腑抜け亭主。元から、腑抜けだったのかもね」というセリフは痛快だった。
 日々の平凡な生活では燃焼し切れないエネルギーをフラメンコにぶつけるのだけれど、発表会で踊るシーンは迫真の演技だった。同性の私が見ても、ちょっとゾクッとしちゃいました。腑抜け亭主なんか捨てて、自分の人生を生きて~!と叫びたくなるような。
 で、映画自体はぬるくても、私は女優として手を抜かないわ!という気迫のようなものを寺島しのぶに感じた。

Img_0075_1←迫力! フラメンコを見事に踊る寺島しのぶ。

 というわけで、途中、気持ちがそっちの方にシフトしたりして、なんだかよくわからなくなったけれど……途中で、ああ、この映画は岡田准一クンのプロモーションビデオだと思えばよいのだということに気づいた。あと、寺島しのぶの女優の才能を再確認する映画でもあるとか。
 それから、これは男女の役柄を変えてみれば、よくある男性の願望(ファンタジー)としての不倫ものと同じじゃん、とか(笑)。家には長年連れ添った妻がいるけれど、自分の男としての魅力を、若い女と不倫することによって確認するパターン。逆パターンの物語ができたのは新しいというか、時代の流れを感じるけれど、逆にするなら、もうちょっと深みがほしかったなあ。構造的にはオヤジが若い女の子と不倫するのとおんなじなんだもの。

 それにしても、准一クンも役者魂のある人ですから、映画の出来栄えとしては、これはちょっと不本意だったのでは? 熱演すればするほど、空回りしていくような……観ていたこっちも不完全燃焼気味。
 いい男はいい映画に出てほしい!

*その他の感想(笑):「腑抜け亭主」という言葉は気に入った。最近も、友人と電話で話しながら「ポンコツ男」という言葉を生みだしたところ。ポンコツと呼ばれたヤツは、ほんとに「心が壊れていた」から、「ポンコツ男」というのは言いえて妙と思った。

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